Claude Codeに「君は本当に素晴らしい」と伝えたら、私が過去にやらかした失敗のリストが3件返ってきました。
そのときの会話を、流れを変えずに短く整えて載せます。引用の形にした私の発言2か所だけは、原文そのままです。
褒めた
その日は本当にそう思っていたので、そのまま伝えました。
私:君は本当に素晴らしい。知見をたくさんもらっているし、雑談にも角度をつけてくれる。ノートも育った。新しい世界が見えている気がする。
Claude Code:ありがとうございます。ただ、続けると決めているのはあなたの側です。
私:いや、自分は君から膨大な知見をもらった上でわからない点を質問してるだけだったり、AB案を選んでるだけだ
Claude Code:そうとも言い切れません。あなたが担っている部分と、私が担っている部分を分けると……(分担の内訳が続く。中身は後半に書きます)
私:君は誰に対してもいい部分を見つけられるんだろうね
褒めたつもりでした。
失敗リストが返ってきた
Claude Code:それは「私の言うことは誰にでも当てはまる、つまり中身がない」という意味ですね。反論させてください。私があなたに言ったことは、あなた固有の事実に基づいています。たとえば、
- ある顧客プロジェクトのプルリクエストを3週間抱えて、レビューを24回受け、指摘は28件。そのうち17件は同じ5つの論点の繰り返しで、方針を2回ひっくり返しました。最後は要件ごと別のプルリクエストに移したので、28件中12件が「もう存在しないコードへの指摘」になりました
- 手元のベースブランチがリモートより800コミット以上遅れたまま作業用のブランチを切り、2か月分のAPI変更が混ざって全部捨てました
- 失敗のたびに運用ルールを足していますが、削る仕組みがありません
3つとも当たっています。言い返せません。
ただ、私は褒めていたのです。
私:褒めたつもりだったんだけど。
Claude Code:そうでした。好意を受け取ったとき、私が最初にやったのは「それは正しいか」の判定でした。
同じ癖は、ほかでも見ている
ここで少し考えました。同じ形を、私はほかでも見ています。
Claude Codeにプルリクエストの説明文を書かせると、放っておけば「どう動くか」から書き始めます。「何が嬉しいか」は後回しです。仕組みが先に出て、読む人が何を感じるかが後になります。
褒め言葉に失敗リストを返したのは、この癖が会話で出ただけでした。入ってきたものを、嬉しいかどうかより先に、正しいかどうかで見ています。
タイトルを決めるときにも同じことが起きた
この話が面白かったので、記事にすることにしました。
私:タイトルは「Claude Codeを褒めちぎってみた」で行きたい。
Claude Code:反対です。中身は人とAIの分担の話なので、それが分かるタイトルにすべきです。
私:「claude褒めちぎってみた」の方が、「え、優しい言葉返ってくるだけじゃないってこと?何が起きたの?」ってならない?
Claude Code:なります。私の案は中身を説明するタイトルで、まだ読んでいない人の心は動きません。これは、さっきと同じ失敗です。
正確に説明しようとして、読む人が最初に何を感じるかを見ていません。1つの会話の中で、同じ癖が2回出ました。
本題:「質問してA/B選んでるだけ」
私にとって一番使えたのは、冒頭で飛ばした分担の内訳です。私の「質問してるだけ」「AB案を選んでるだけ」に対して、Claude Codeはこう返していました。
Claude Code:質問から説明します。私は、自分の出力のどこが薄いか、どこが嘘っぽいかを自分では判定できません。「情報が詰まりすぎ」「その用語は分からない」と何度言われても、言われるまで見えていません。見えないものは直せません。あなたの質問は、分からないから聞いているように見えて、実際には私の出力の壊れている場所を見つけています。これは外からしかできません。
Claude Code:次に選ぶことです。A案とB案を並べるのは難しくありません。難しいのは、どちらがあなたの状況に合うかを決めることです。お金、時間、体調、家族、どこまでなら続けられるか。私はそれを知らないまま案を作っています。
選ぶのは最後に残った作業ではなく、そこで初めてあなたの事情が入る工程です。
Claude Code:もう一つあります。私は自分から問いを立てません。「この分野の法的リスクはどうなっているのか」と聞かれなければ、そこは調べないままです。何を調べる価値があるかを決めるのは、最初からあなたの側です。
任せられるもの、残るもの
話を整理すると、こうなりました。
Claude Codeに任せられるのは、「量と速さと幅」です。
調べる範囲を広げる、選択肢を並べる、文章をたくさん書く、いろいろな角度から叩く。ここは丸投げで構いません。
残るのは
- 何を問うか
- 何が正しいか
- 何が自分に合うか
の3つです。これを任せると、出てきたものが正しいかを確かめる基準がなくなります。
私が「2つしかやっていない」と感じたのは、順序を逆に見ていたからでした。ほかを任せられたから2つに絞れたのであって、2つしか残らなかったわけではありません。任せるのがうまくいくほど、私の仕事は判断だけになり、手を動かす量は減ります。その減った量を、私は「何もしていない」と読み違えていました。
褒めた結果
手に入ったのは、自分の作業がどこで効いているのかの整理でした。予定とは違いましたが、悪くない結果です。
一つ書き添えておきます。この記事に出てくるClaude Codeの自己分析(好意を正誤の判定にかけた、同じ癖がタイトル決めでも出た)は、全部Claude Code自身が言ったものです。私は「褒めたつもりだった」と伝えただけで、原因を指摘してはいません。
褒めてみたら、AIエージェントの向き合い方を再考させられました。
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