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排出半減でコスト25%減、製鉄脱炭素の「現実解」を示す34歳

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排出半減でコスト25%減、製鉄脱炭素の「現実解」を示す34歳
MIRANDA BARNES
This founder is making cheaper, cleaner steel

グリーンスチールの開発競争は、水素で鉄鉱石から酸素を取り除く手法に集中している。だが、米国の鉄鋼業スタートアップであるハーサ・メタルズを起業したローリーン・メルーエは、当面は化石燃料を使い続けることを選んだ。天然ガスで石炭を置き換え、工程を一つにまとめる。排出は半減、コストは25%減。ゼロカーボンを待つより、今できることを取りに行く判断だ。 by Bridget Reed Morawski2026.09.11

この記事の3つのポイント
  1. ハーサ・メタルズが一工程・天然ガス使用の新型炉でCO₂を半減しコストを25%削減する技術を開発した
  2. 創業者メルーエは少額資金で日産1トンのパイロット生産を実現し、将来的な水素転換も視野に入れた段階的戦略を採る
  3. 完全ゼロカーボンより「今できる改善」を優先する実用主義的アプローチが、脱炭素の現実解として注目される
summarized by Claude 3

鉄鋼業界はイノベーションとはあまり縁がない業界として知られている。鉄鉱石の精錬プロセスは、1850年代に発明・商業化されて以来、ほとんど変わっていない。

鉄鋼メーカーの大半は、高炉の中で固体の鉄鉱石をめまいがするほどの高温で溶融し、ガスと反応させて酸素を除去する化学反応を引き起こす。その後、さらに精錬を経て純化され、鉄筋や自動車フレームなどの製品に加工される。

このプロセスには石炭を利用しており、気候変動を引き起こす炭素排出量の約7%を生み出している。これはファッション業界の排出量とほぼ同等だ。脱炭素化は困難であることが証明されている。利益率が低く、炉の耐用年数が長いため、投資を正当化するのが難しいのだ。

だが、ローリーン・メルーエは、価格を上げることなく製鉄を脱炭素化する方法を見つけたかもしれない。ハーサ・メタルズ(Hertha Metals)の創業者兼CEO(最高経営責任者)であるメルーエは、プロセスの背後にある化学を簡略化する新型炉を発明した。彼女の手法は、鉄鉱石を一工程で精製された液体鋼に変換し、石炭の代わりに天然ガスを使用する。これらの変更を組み合わせることで、炭素排出量を少なくとも半分に削減し、従来の製鉄業と比べてコストを25%削減できるという。

この技術が普及すれば、変革をもたらす可能性がある。「鉄鋼の生産システムの規模を縮小することには大きな価値があります」と、カリフォルニア大学アーバイン校の国立燃料電池研究センター所長であるイリナ・ゼニュク教授は言う。「それらのシステムは巨大で、非効率であり、大量のエネルギー投入を必要とします。ですから、エネルギー効率を改善するだけでも、すでに大きな一歩です」。

ハーサ・メタルズのアプローチは、ゼロカーボンシステムを待つのではなく、今すぐ鉄鋼業界で改善できることに焦点を当てている。

それでも、これはリスクの高い取り組みだ。しかし、限界に挑戦することはメルーエCEOにとって新しいことではない。12歳のとき、彼女は従来の中等教育の代わりにフロリダ・アトランティック大学の大学レベルの講座を受講するパイロットプログラムに合格した。彼女はすぐに工学に興味を持ち、微積分や海洋波エネルギーなどのテーマを探求した。

厳しい課程をこなしながらも、彼女は何時間も木の上に座ったりサーフィンをしたりして過ごし、それが自然への深い感謝と自然を守りたいという思いを育んだ。「自然を守ろうとすることに魅力を感じない理由が、私には分かりません」とメルーエCEOは言う。

現在34歳のメルーエCEOは、その情熱を職業上の目標に反映させてきた。マサチューセッツ工科大学(MIT)で機械工学の博士号を取得した後、グリーン水素スタートアップを率い、2022年にハーサ・メタルズを創業した。起業家精神旺盛な家庭に育ったレバノン系米国第1世代の彼女にとって、自分の会社を起こすことは当然の道筋に見えた。「自分のビジネスを始めるためにその一歩を踏み出すことがいかに一般的かを見て、『これは普通のことだ』と感じられるようになりました」と、テキサス州ヒューストンのすぐ北にあるコンロー市の同社のパイロットプラントのオフィスからビデオ通話で語った。

そのパイロットプラントは1日に1トンの鉄鋼を生産できる。「1日1トンは鉄鋼にとって大きな指標です」と、同社の投資家の一つであるコスラ・ベンチャーズ(Khosla Ventures)のパートナーであるラジェシュ・スワミナサンは言う(ハーサは2026年7月時点で約2000万ドルの資金を調達していた)。

スワミナサンは、同社の拡大は「印象的」だと言う。特に、チームがいかに少ない資金しか使っていないかを考えると、なおさらだ。競合他社は5000万ドルや1億ドルの資金を調達しながら、はるかに少ない量の鉄鋼しか生産していないとスワミナサンは指摘する。

ハーサのアプローチは、ゼロカーボンシステムを待つのではなく、今すぐ業界で改善できることに焦点を当てている。グリーンスチール製造の他のアプローチは、水素を使って鉄鉱石から酸素を分離することを中心としている。これはいつか排出量を削減または排出ゼロにできる可能性がある手法だ。それに対し、メルーエCEOは、主にコストを抑えるために当面は化石燃料への依存を続けることに満足していると言う。水素がより手頃な価格になれば、現在のハーサのプラントはハードウェアを大幅に変更することなく、完全に脱炭素化されたシステムに切り替えられると同CEOは言う。

一方で、同社の既存プラントの隣に新しいプラントを建設する計画が進んでいる。その施設は年間1万トンの高純度鉄鋼を生産する予定で、2027年末までに全稼働に達する見込みだ。2030年までに、ハーサは第3の拠点を追加することで年間50万トンまで生産量を増やせるとメルーエCEOは考えている。これは米国で年間生産される約8000万トンの鉄鋼のほんの一部に過ぎないが、1トンを生産するだけでも十分な成果だとゼニュク教授は言う。

メルーエCEOは、世界が鉄鋼を必要としなくなることはないと考えている。だからこそ、彼女は別の問いを立てている。「長期的に私たちに害を与えないようにするために、どうすればより賢い作り方ができるのか」。

bridget.reed.morawski [Bridget Reed Morawski]米国版 現在編集中です。

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