マイクロソフトは同社の包括的なアプリケーションフレームワークの次期版となる「.NET 11」の最初のリリース候補版となる「.NET 11 Release Candidate 1」を発表しました。
〰️ SAVE THE DATE 〰️
— .NET (@dotnet) September 9, 2026
.NET Unboxed: .NET 11 Release Candidate 1!!
Join the team on September 10th as they show off their favorite features in .NET 11 in this release party for .NET 11 RC 1!!
See you LIVE here at 11AM PT https://t.co/qHK4oCcaSM pic.twitter.com/rWC6eWS298
.NETは、デスクトップアプリケーションからモバイルアプリケーション、クラウドネイティブ、ゲーム、IoTなど、あらゆるアプリケーションを包括的にカバーするフレームワークです。
.NETフレームワークの中には、プログラミング言語のC#やコンパイラ、ランタイム、そしてクロスプラットフォーム対応のUIフレームワークである.NET MAUIやWebアプリケーションフレームワークのBlazorなどが含まれています。
.NETは偶数バージョンがLTS(Long Term Support:長期サポート)版となり、現時点では昨年(2025年)11月にリリースされた.NET 10が最新のLTS版です。
参考:マイクロソフト、「.NET 10」正式リリース、2年ぶりのLTS版。JITコンパイラの最適化などによる高速化、耐量子計算機暗号など新機能
LTS版はリリースされてから最低3年間、バグフィクスやセキュリティパッチなどが提供される一方、今回リリース候補版となった.NET 11は通常版(STS:Standard Term Support)となります。
通常版はリリース後2年間サポートが継続されることになっており、.NET 11は今年(2026年)11月にリリースされる計画であることから、2028年11月までサポートされる見通しです。
.NET 11の主な新機能
.NET 11を含むSTS版は、安定性が重視されるLTS版に比べると、積極的に新機能や改良などが投入されやすい傾向にあるバージョンです。
.NET 11ではどのような新機能や改良が行われているのか、マイクロソフトが公開している「.NET 11 の新機能」から、主なものを紹介していきましょう。
.NETランタイムの非同期ネイティブ対応
.NET 11ランタイムではランタイムがネイティブに非同期処理をそのまま実行できるようになりました。
これまで.NETランタイムでは(大枠として)非同期処理をコンパイラがタスクやライブラリに分解した上でランタイムが非同期処理を実行していましたが、.NET 11ではこうした前処理がなくなりランタイムが非同期処理をネイティブに実行するため、よりオーバーヘッドが小さく高速かつ効率的に非同期処理が実行できるようになりました。
プロセッサ数の上限がなくなる
これまで.NETランタイムは1024個を超える論理プロセッサでの初期化に失敗していました。.NET 11ではランタイムがCPUセットを動的に割り当てるようになるため、プロセッサ数の上限がなくなりました。
JITの強化
JIT(Just In Timeコンパイラ)がより賢くなり、配列などの最初と最後のデータの境界などをチェックする境界チェックが除去され、演算時にオーバーフローしていないかどうかをチェックする処理も効率的に除去されるなど、これまでコード実行時の安全を確認するために行っていたさまざまな冗長処理のいくつかがなくなりました。また小さなSwitch文が分岐無しに展開されるなどの最適化が加わり、コードの実行速度向上が期待できます。
AOTコンパイラの高速化
コードを事前コンパイル(Ahead-of-Timeコンパイル)することでネイティブなバイナリを生成するAOTコンパイラが、コード内の複数のInterface呼び出しをコンパイルするときに共有ディスパッチによって効率化することなどにより、ネイティブバイナリの実行速度の向上とファイルサイズの縮小を実現します。
WebAssembly上のCoreCLRが本格対応
WebAssembly上で実装された.NETランタイムのコアであるWebAssembly用CoreCLRで、マイクロソフトのライブラリテストが最初から最後まで動作するようになりました。これは事実上、標準のCoreCLRとWebAssembly用のCoreCLRの互換性が本格的に高まったことになります。
マイクロソフトは11月10日からイベント「.NET Conf 2026」を予定しています。.NET 11はこのタイミングで正式版になる見通しです。
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