Google Cloudは、大規模分散データベースとしてリレーショナルモデルだけでなくグラフ型やキーバリュー型、ベクトル検索、テキスト検索などのマルチモデルに対応したデータベースソフトウェア「Spanner Omni」の正式版リリースを発表しました。
Spanner Omniは、Google Cloudがマネージドデータベースとして提供しているGoogle Cloud Spannerのソフトウェア版です。
Linux(RHEL 9、Ubuntu 22)、macOS(M1、M2、M3)に対応し、ローカルマシンにインストール可能。またGoogle CloudとAmazon Web Servicesの仮想マシンもしくはKubernetes Podにも対応します。
Spanner Omni is now generally available!
— Google Cloud (@googlecloud) September 30, 2026
The deploy-anywhere version of Spanner is here—ready to power your most demanding production workloads in your private data centers, in a multi-cloud deployment, or even for testing locally on a laptop → https://t.co/IUo0vM86pB pic.twitter.com/3L8AOBlNuf
Google Cloudのインフラに匹敵するコンポーネントを実装
Spanner OmniのオリジナルであるGoogle Cloud Spannerは、トランザクション処理による一貫性を維持したままリレーショナルデータベースを大規模にスケールさせることは困難であるというそれまでの常識を打ち破り、グローバルな規模でスケールする分散リレーショナルデータベースとして事実上初めて登場したマネージドデーターベースです。
Google Cloud Spannerの登場後、同様のアーキテクチャを基にCockroachDB、TiDB、YugabyteDBなど、一貫性を保ちつつスケールする分散リレーショナルデータベースが相次いで登場しました。
今回リリースされたSpanner Omniは、Paxosコンセンサス、自動シャーディング、同期レプリケーションといったGoogle Cloud Spannerのコア技術を継承しつつ、Google CloudのスケーラブルなストレージであるColossusや世界中のサーバー間で時刻を正確に同期するTrueTimeなどのGoogle Cloud独自のコンポーネントを、それらに匹敵する性能を発揮できるようなソフトウェアコンポーネントの実装により置き換えています。
そしてSpanner Omniは単一のサーバから数千台規模のクラスタにまで柔軟に拡張可能で、同社のベンチマークでは、単一リージョンのデプロイでペタバイト規模のデータに対して秒間数百万件のクエリ(QPS)処理が実証されたと説明されています。
Spanner OmniをAIワークロードのバックエンドに
Google CloudはこのSpanner OmniをAIワークロードのバックエンドデータベースに適したデータベースだとしています。
具体的には、リレーショナルモデルと並んでベクトル型をサポートしているため、ベクトル埋め込みをそのまま保存しインデックス化可能。ベクトル検索や類似度計算としてのkNNやANNのサポートにより、意味的類似性の検索とSQLによるデータのフィルタリングの組み合わせなども可能になります。
またGoogleが公開している「MCP Toolbox for Databases」によってAIからSpanner Omniへ接続することができるため、大規模分散環境におけるAIの記憶レイヤとして利用できます。
無料のDeveloper Editionと有料のCommercial Edition
Spanner Omniは非商用非本番環境で90日間利用可能な無料の「Developer Edition」と、有料の「Commercial Edition」が提供されます。
Developer Editionでは4台以下のvCPUを搭載した単一のサーバで使用する場合には90日を越えてフル機能が利用可能。Commercial Editionは商用と本番環境での利用を想定し、vCPUベースの年間サブスクリプションとなっています。
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