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AWSとGoogle Cloudが「PyTorch」のAWS Trainium、Google Cloud TPU対応版をオープンソースで公開。NVIDIAからの移行に挑む

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2026年10月27日

10月20日と21日に米カリフォルニア州で行われたイベント「PyTorch Conference 2026」において、AWSとGoogle Cloudが相次いでPyTorchの自社AIプロセッサ対応版をオープンソースとして発表しました。

AWSがパブリックベータとして公開したのはAWS Trainiumに対応した「TorchNeuron」、Google Cloudが発表したのはGoogle Cloud TPUに対応した「TorchTPU」です。

TorchNeuronとTorchTPUのいずれも、すでに発表されプライベートベータやプレイベートプレビューとして一部のユーザーには提供されていました。

今回それがオープンソースとして公開されたことで、誰でも利用可能になりました。

PyTorchはNVIDIA CUDAで実行することが事実上の標準

PyTorchはPythonで開発されているオープンソースの機械学習フレームワークです。機械学習やAI、大規模言語モデル(LLM)の研究や開発などで広く利用されています。

Linux Foundationの2024年の調査では、AIに関連した研究や開発の70%以上でPyTorchが使われているとされるほどこの分野で重要な存在となっています。

PyTorchはCPUでもGPUでも動作するフレームワークですが、実際にはNVIDIA GPUを用いた汎用計算基盤ソフトウェアである「CUDA」上で実行させるのが事実上の標準となっていました。

そのため、PyTorchおよび関連ソフトウェアの多くがCUDA上で最大の性能を発揮できるように作られているのです。

PyTorchをTrainium、TPUでネイティブに実行可能に

こうした中で、AWSはAWS Trainiumを、Google CloudはTPUをそれぞれAI用プロセッサとして自社開発し、事実上CUDA用に作られてきたさまざまなソフトウェアの対応に取り組んできました。

PyTorchに関しても、AWS TrainiumやGoogle Cloud TPUなどのプロセッサで実行できる形式へ変換するためのコンパイル基盤「XLA」などの改善と整備などを行ってきましたが、十分な互換性の実現や性能面などで課題を抱えていました。

今回公開されたTorchNeuronとTorchTPUはそうした取り組みの延長線上にありますが、いずれもそれぞれの独自AIプロセッサ上でPyTorchがネイティブに、つまりプロセッサの性能を十分に引き出せる形で動作し、そのための移植も簡単だと説明しており、これまでと比べて互換性の面でも速度の面でも大きく改善されています。

例えばAWSのTorchNeuronは次のように説明されています。

TorchNeuron を使用すると、開発者は eager execution、torch.compile、および標準の PyTorch API との完全な互換性を維持しながら、単に .to('neuron') に切り替えるだけで Trainium 上で PyTorch コードを有効にすることができます。さらに、TorchNeuron は Neuron Kernel Interface (NKI) と統合されており、カスタムオペレーターの利用や Trainium ハードウェア向けのパフォーマンス最適化を可能にします。

一方、Google CloudのTorchTPUの説明は以下のようになっています。

It enables seamless out-of-the-box model execution and TPU migration while delivering industry-competitive inference and training performance through eager execution optimizations, torch.compile integration, and native hardware acceleration.

導入してすぐにAIモデルを実行できるシームレスなTPUへの移行により、競合と遜色のない高性能な推論と学習を、積極的な実行時最適化やtorch.compileの統合、ハードウェアネイティブなアクセラレーションなどにより実現する。

TorchNeuronとTorchTPUの登場により、AWS TrainiumやGoogle Cloud TPUでPyTorchを利用するためのハードルは、これまでよりもずっと低くなることが期待されます。

特に、PyTorchの標準的なAPIや実行モデルとの互換性が高まり、既存のコードを大幅に書き換えることなく移行できるようになれば、開発者にとってはNVIDIA GPU以外の選択肢を検討しやすくなります。

ただし、AIプロセッサの選択は、単にモデルが動作するかどうかだけでは決まりません。既存のライブラリやツールとの互換性、実際の学習や推論の性能、コスト、そして開発から運用までの使いやすさなど、さまざまな要素が関係します。

TorchNeuronとTorchTPUのオープンソース化が、CUDAを中心に発展してきたAI開発のエコシステムにどこまで変化をもたらすのか。今後は、対応するモデルやソフトウェアの広がりとともに、実際のワークロードでどこまで互換性と性能を実現できるかが注目されます。

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