「あの人がいないと回らない」――そう思われている業務が、どの職場にも1つや2つはある。担当者が辞めれば引き継ぎに苦労し、後任が見つからなければ残った人で抱えるしかない。
創業90年を超えるパッケージメーカーのクラフツ(東京都台東区)も、退職者が出たことで「経費承認の業務を誰が担うのか」という課題に直面した。後任の採用はなかなか決まらず、経理部の所属者が部長1人だけになりかけたこともあったという。
さらに、業務が属人化していたため、経理部長であっても経費精算の細かな処理を把握できていなかった。クラフツの石黒博義氏(管理本部 経理部 部長)は「これでは新しい人が来ても教えられず、また属人化してしまうと考えた」と振り返る。そこで、経費の規定をルールに落とし込み、承認をAIに任せることにした。
本記事は、TOKIUM主催のオンラインカンファレンス「TOKIUM AX VISION」(10月15日開催)におけるセッション「創業90年超えのパッケージメーカーが実践する、経費承認から始めるAI推進の実践記」を基に構成。
紙とExcelで回していた経理 経費精算は現金で手渡し
クラフツは、ペットフードや飲料のラベル、菓子の袋といった軟包装パッケージを手掛ける。グループ従業員は840人で、国内4工場とタイの2工場を持つ。その経理業務を、本社の4人で担っている。
石黒氏が入社した3年前、経理は紙とExcelが中心だった。工場から郵送される請求書を1枚ずつExcelに入力して支払う。経費精算も、印刷した申請書に押印し、現金で手渡ししていた。「請求書も含めて、紙とExcelと手入力で成り立っていた」と石黒氏は語る。
非効率な業務の改善に加えて、インボイス制度への対応、決算の早期化など取り組まなければならないことが多い。石黒氏は“経理DX”に向けて、経理AIエージェントを手掛けるTOKIUM(東京都中央区)の経費精算・請求書受領サービスを導入した。
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