
ブラックバードの再来なるか…!?
真っ黒な機体に、細長い機首。大きなエンジンを左右に抱えた「SR-71ブラックバード」は、約2万6,000mの高さを、音速の3倍(マッハ3、時速3,704km)を超える速さで飛びまわったアメリカの偵察機です。
偵察機の任務は、上空から地上の情報を集めること。ブラックバードは、高く、速く飛ぶ性能を追求した機体です。米空軍国立博物館によると、1964年に初飛行し、1966年にアメリカ空軍の部隊へ配備されました。
半世紀以上も前に、すでにマッハ3を超えていたと聞くと、とんでもない性能だったことがわかりますよね。
NASAが公開した、ブラックバードの飛行映像はこちらです。かっこよすぎ。
1999年の最後の飛行から27年。空を離れていたブラックバードに、復活を期待させる動きがありました。NASAが発表した新しい実験機にも注目が集まっています。
まずは、ブラックバードが飛行を終えた経緯を振り返りましょう。
あんなに速かったブラックバードが退役した理由
ブラックバードの運用には、多額のお金が必要でした。
米空軍の解説では、国防予算の制約と高い運用コストを理由に、1990年に退役したとしています。1995年から一時的に復帰しましたが、空軍での運用は1998年に終了しました。偵察衛星という、より低コストで情報を集められる手段が発達した影響も大きいです。
NASAはその後も、ブラックバードを高速飛行の研究に使っていました。最後の飛行は1999年10月9日で、飛んだのは、NASAで「844」の番号を付けられた機体でした。

飛行を終えた844号機は、NASAのアームストロング飛行研究センターで屋外展示されていました。
しかし、844号機は突如として展示場所から姿を消してしまったのです。
展示していた機体が消えた? 気になる長官の発言
The War Zoneの11月2日の報道によると、844号機が展示場所から移動したのは今年のことです。
9月には、NASAのジャレッド・アイザックマン長官が、ブラックバードを思わせる機体のシルエットを披露し、ブラックバードの復活や、後継機への期待が高まっていました。

しかし、ポッドキャストで844号機について質問された長官は、「掃除しているだけだよ」と答え、再び飛ばすかどうかについては明言しませんでした。
長官は続くやり取りで、新しい「Xプレーン」を発表すると予告しました。Xプレーンとは、新しい航空技術を実際に飛ばして確かめる実験機のことです。発表する機体については、質問者が思い浮かべている機体とは別だと説明しています。
ブラックバードの復活をめぐって発言が注目されるなか、新しい実験機の発表も予告されたわけです。そして現地時間11月4日、NASAは新型機の名前と役割を明かしました。
新しく発表された「X-70 Fractal」には、どんな役割が?
NASAが発表したのは、新たなXプレーン「X-70 Fractal(フラクタル)」です。
アイザックマン長官によると、パイロットが乗り込み、新しい操縦技術などを実際の空で試すための機体だそうです。飛ぶ方向や機体の傾きを調整する仕組みを試して、航空機の動きをどこまで自在に操れるかを調べます。
実験用の機器を交換しやすい設計で、研究内容に合わせて積み替えられます。長官は、今後2年以内にNASAとしての初飛行を見込んでいると話しています。
計画されている巡航速度は、音速の約75%にあたるマッハ0.75(時速926km)です。
