岩手・花巻南高校女子バレーボール部は、県新人戦、県高校総体ともに準優勝。第2シードとして挑む春の高校バレー県大会では、27年ぶりとなる全国切符獲得を目標に掲げている。高さを生かしたコンビバレーに加え、今季はバレー専用のトレーニングを導入。選手一人ひとりの身体能力が大きく向上し、この夏には全国の強豪校が集う大会で3位に入るなど確かな手応えをつかんでいる。集大成の舞台で、悲願の春高全国大会出場を目指す。
高さ生かす多彩な攻撃
1月の県新人戦、5月の県高校総体で準優勝した花巻南。1年生からレギュラーの3年生4人を中心に、春高へ臨む。
リベロを除くスタメン6人の平均身長は168センチ。速攻や時間差攻撃を織り交ぜたコンビバレーを展開する。
さらにアタッカー全員が複数のポジションをこなせるため、相手は攻撃の的を絞りづらい。
攻撃を組み立てるのは、セッター歴8年の及川結奈選手(3年)だ。
バックトスも距離の長いトスも正確に送り届け、仲間の力を最大限に引き出す。
及川選手は、「遠いところからでもボールを伸ばす力があるので、どんなところからでもスパイカーが打ちやすいトスを上げられる」と自信をのぞかせる。
仲間思いの主将
チームには中学時代に県選抜へ選ばれた選手が7人いる。その中でキャプテンを務めるのが、エースの田村涼栞選手(3年)だ。
田村選手は中学時代、所属チームが地区予選で敗れ、県大会出場の経験がなかった。その悔しさがあるからこそ、仲間の思いを大切にするキャプテンシーの原点になっている。
田村選手は、「チームがより良くなるために色々な人から意見を聞いて、自分一人だけじゃなくて全員でチームをつくり上げることを意識した」と主将としての思いを語る。
持ち味は高い跳躍力から繰り出される強烈なスパイク。
田村選手は、「速い攻撃にも、移動する攻撃にも自分の体がついていくようになった。トスを叩けるので、すごく楽しい」と手応えを語る。
筋力トレーニングで急成長
チームが大きく成長した要因の一つが、2025年12月から導入した様々な道具を使った筋力トレーニングだ。
メニューをつくったのは、2026年インターハイ準優勝のソフトボール部トレーナー。見た目の筋肉ではなく、地面を強く押す力や腕の振りの速さを高めている。
現在は練習時間の約3分の1をトレーニングに充てており、選手たちの身体能力は大幅に向上している。
水澤雄次監督も「一人一人が垂直跳びは5センチ以上伸びているし、1年生も入学時と比べて体幹も強くなり、例年の1年生よりも力強さが出ている」と話す。
チューブを使ったジャンプトレーニングでは、最高到達点まで「速く」跳び上がる力を鍛えている。
27年ぶり全国へ
チームの成長は結果にも表れている。この夏、体育科やスポーツコースを持つ全国の強豪校が集まる大会で3位に入り、インターハイ出場校からもストレート勝ちを挙げた。その力を春高の舞台で証明する。
及川選手は、「集大成としてチームに貢献して最後は笑顔で終わる」と誓う。
田村主将も、「3年生4人の集大成を春高の舞台で爆発させて絶対優勝する」と力強く語る。
着実に力をつけてきた花巻南。3年生4人の思いを胸に、27年ぶりの春高出場を目指してコートに立つ。