
- アデクンレ・アヨデレ氏がレイオフ(一時解雇)に見舞われたとき、彼には備えができていた。
- 不動産収入からビジネスのアイデアまで、頼れる選択肢を幅広く持っていたからだ。
- テック業界でレイオフが続くなか、アヨデレ氏は「選択肢を持っておいて困ることはない」と語った。
この記事は、ジョージア州在住のアデクンレ・アヨデレ(Adekunle Ayodele)氏(45歳)へのインタビューに基づいている。なお、長さと分かりやすさを考慮して編集している。
メタ(Meta)で働いていた私は、自分が解雇される可能性を意識していた。テック業界では近年、レイオフ(人員削減)が急ピッチで進められている。雇用の安定や「9時〜5時」の会社勤めといった従来の価値観も変化しつつある。
メタでプログラムマネージャー(複数のプロジェクトをまとめて管理する職務)を務めて4年近くが経ったころ、数週間後の5月20日に人員削減が実施されると通知された。その当日の朝7時、私はメールを確認した。まだ何も届いていない。7時2分になっても、何も起きなかった。受信トレイを更新し続け、7時14分ごろ、自分の仕事がもう必要とされなくなったことを知った。
私の考えは昔から変わらない。会社が私のスキルがもう必要ないと決めたのなら、それは妥当な判断だ。信仰を持つ私は、すべての出来事には意味があると信じている。私は即座に、神をたたえ、同僚たちに別れを告げ、ノートパソコンを閉じた。
私には養うべき妻と2人の子どもがいる。それでも、レイオフへの備えはできていると感じていた。収入の範囲内で暮らすことを、常に心がけてきたからだ。いざというときのために温めてきた起業のアイデアもあった。人生の次の一章を描く準備は整っていたのだ。
次の行動を決めるのに費やした時間は「たった2分」
いまは自分のベンチャー企業の仕事に集中している。不動産にも投資しており、これが収入のかなりの部分を占め、事業を支える土台にもなっている。2022年にメタに入社する前、私はさまざまなプロダクトのアイデアを試すため、データボックス・テクノロジーズ(Databox Technologies)という自分の会社を立ち上げていた。メタ在籍中には、アフリカ系や黒人のプロフェッショナルのための非営利コミュニティ「フォスター(Fostr)」も設立した。
また、以前から温めていた「Mixle」というアプリのアイデアも再始動させた。人脈づくりや人とのつながりを、もっと簡単に構築できるようにするためのアプリだ。
解雇されたあと、起業する道を選んだとLinkedInで報告した。すると、私と一緒に働くことに興味があるという22人から連絡があった。これは本当に大きな励みになった。
現在、約15人の小さなチームを抱え、複数のプロジェクトを完全リモートで進めている。チームのメンバーは業務委託の契約者、パートタイムの協力者、インターン、アドバイザーなどだ。
メタでの仕事といま私が経営しているビジネスは規模がまるで違う。それでも、優先順位を管理し、成果を出すという点では変わらない。違いは、いまのほうがプロダクトや顧客との距離が近くなったということだ。
AIのおかげで、個人や少人数のチームがどれほど大きなレバレッジ(少ない資源で大きな成果を生み出す力)を持てるようになったかということを実感している。ある晩、Mixleのテクノロジースタック(アプリを動かすための技術の組み合わせ)をすべて作り直したいと思い立った。AIを活用したことで、人を雇って任せるよりはるかに速く、安く実現することができたのだ。

レイオフへの備えは欠かせない
メタにいたころより、いまのほうがはるかに多く働いている。仕事をしていないときは眠っている、という生活だ。それでも、心から打ち込んでいるため、仕事をしているという感覚はない。
Mixleは収益を生み始めた。自分に合った会社があれば転職も検討するが、現時点での計画は自分のビジネスを築き、成長させ続けることだ。
ビッグテックは総じて報酬が高いが、収入が増えるにつれて支出も生活水準も上がる「ライフスタイル・クリープ」が起こりやすい。でも私は常に収入を下回る支出で暮らすよう努めてきたため、解雇されてもショックは小さかった。
レイオフに関しては、必要に迫られる前に準備をしておくことが重要だ。人間関係を築き、スキルを陳腐させず、自身の財務状況を把握しておく。貯蓄、不動産収入、事業といった選択肢を長年かけて積み上げてきたことが、解雇後に家族を支えるうえで最も重要だった。
メタはBusiness Insiderからのコメント要請に応じなかった。

