
- アンソロピックのプラットフォーム・エンジニアリング部門トップのケイトリン・レッセ氏が、いまや自身のチームのコードはすべてClaudeが書いていると明かした。
- レッセ氏は、AIコーディングツール「Claude Code」が同社の効率化にどう役立ってきたかを紹介した。
- アンソロピックは新規株式公開(IPO)を目前に控えており、その企業価値は2兆ドル(313兆円)に達する可能性がある。
アンソロピック(Anthropic)のトップエンジニア、ケイトリン・レッセ(Katelyn Lesse)氏によると、同社の中核チームの一つでは、AIコーディングツール「Claude Code」の活用によって人間によるコーディング作業はもはや存在しないという。
レッセ氏は、同社のプラットフォーム・エンジニアリング部門を率いている。この部門は中核サービスや開発者向けツール、製品を支えるインフラ(基盤システム)を担っており、いわばアンソロピックの「エンジンルーム」と言える存在だ。
レッセ氏は10月20日、システム監視ツールを手がけるグラファナ・ラボ(Grafana Labs)のイベント「ObservabilityCON」で、2026年夏時点で200人だった自身のチームでは、人間がコードを書く時代は完全に終わったと語った。
「私たちのチームが実際にシステムを構築・保守するプロセスにおいて、コードはすべてClaudeが書いている」と彼女は語った。
「文字通り、すべてだ」
アンソロピックがClaude Codeに大きく依存してきたことは、組織の規模を比較的小さく保つうえで役立ってきた。同社はいま、IPOを控えている。企業価値は2兆ドル(313兆円、1ドル=156.5円)近くに達する可能性がある。一方で、2026年第3四半期(7〜9月期)は売上高の伸びが鈍化した。この極めて高い企業評価額を維持できるかどうかは、レッセ氏ら幹部が掲げる「AIファースト」のミッションを、より多くの企業に売り込めるかどうかにかかっている。
レッセ氏によると、チームのメンバーはいまもシステムとその検証方法の設計を行っており、その後の実際のコーディング作業をClaudeに任せているという。同社が主要なコードベース(ソフトウェアを構成するプログラム全体)のプログラミング言語をPythonからRustに切り替えた際、社員が力を注いだのは完成品を検証する方法を編み出すことだった、と彼女は説明した。
「しかし、製品を作り、それを実際に監視し、問題なく機能していると確信できるようにするといった地道な作業はすべてAIエージェントが行った」
レッセ氏によれば、アンソロピックはすでに、人間の介入なしにAIエージェントが自律的に検証作業で見つかったバグを修正する仕組みを導入している。さらに、この1年でAIモデルが進化したことを踏まえ、AIエージェントが実際のコードベースを自律的に書き換えることに対し、どうすれば社員が抵抗なく適応できるかを検討しているという。
「エンジニアリングのリーダーとして、私たちは正直、恐怖を感じており、この件は慎重に進めていこうと話している。それでも、限界が押し広げられ始めていると感じている」とレッセ氏は語った。
アンソロピックはClaude Codeを全社レベルで導入している。10月16日に公表された同社のレポートによると、社内でAIエージェントの活用が広がるにつれて、若手の技術職の採用比率が低下したという。さらに2026年5月時点で全社の本番コード(実際のサービスで動いているコード)の80%超をClaudeが書いていることも発表していた。

