
- 厳しい雇用市場では、とりわけ人脈作りが重要だ。そこでBusiness Insiderは、キャリアコーチにそのコツを聞いた。
- オンラインであれ対面であれ、具体的かつ一貫した働きかけが求められる。
- 一方で、自分本位な印象を与えてしまったり、不適切な頼み事をしてしまったりしやすい点には注意する必要がある。
多くの人が人脈づくりのやり方を間違えている可能性がある。それは大きな代償につながる。
AIが生成した応募書類が当たり前になり、多くのデスクワーカーにとって雇用市場が低迷する今、人とのつながりを築くことが、他の求職者と差をつけ、仕事を得るためのカギとなりそうだ。
仕事上の強固な関係を築くことは助けになるものの、何から始めるべきかを見極めるのは容易ではない。キャリアコーチやビジネスマナーの専門家が語る、人脈づくりの「やるべきこと」と「避けるべきこと」は以下の通りだ。
個別に工夫したメッセージを送る
人脈づくりのために、リンクトイン(LinkedIn)にありきたりなメッセージを送信する人があまりにも多いが、それでは相手の目に留まらない。
人脈づくりについて、MyPerfectResumeのキャリア専門家、ジャスミン・エスカレラ(Jasmine Escalera)はこう語っている。
「何の接点もない状態で、いきなりアプローチしてはいけない。だからといって、面識のない相手とはつながりを作れないという意味ではない。ただ、何の接点もないまま、いきなり始めることはできないということだ」
接点とは、必ずしも仕事上のものである必要はない。例えば、共通の趣味を見つけてもいい。オンラインで連絡を取る場合は、定型文のようなメッセージは避け、相手に合わせて内容を考えるべきだという。
Self Made MillennialのCEOでキャリアコーチのマデリン・マン(Madeline Mann)も、同様の助言をしている。
「相手に15分時間を割いてもらおうとするなら、自分も15分かけて相手について調べたことが伝わるようにすべきだ」
一般的に、ソーシャルメディアだけでは十分ではない。
人材紹介会社TGC Searchのマネージングディレクター、ブランドン・ドック(Brandon Dock)は、対面での会話が依然として最も効果的な方法だと話す。
コミュニケーションコーチで、「The Long Game」の著者でもあるドリー・クラーク(Dorie Clark)も同意し、こう述べた。
「私はこれまでずっと、ソーシャルメディアやその他のオンラインツールを人脈づくりの武器の一つとして活用することを勧めてきた。しかし、それだけで人脈づくりを完結させようと考えるのは、大きな間違いだ」
プロフェッショナルな振る舞いを心がける
どのような方法で人脈を築くにしても、プロフェッショナルな態度を保つことが重要だ。対面でのイベントでは、飲酒を最小限に抑えることがその一例だとエスカレラは述べた。また、人脈づくりに使うソーシャルメディアでは、「プロフェッショナルなトーン」を保ち、「一貫したブランドイメージ」を打ち出すことが重要だという。
エスカレラとAmerican Academy of Etiquetteの創設者リサ・リッチー(Lisa Richey)によると、Z世代はプロフェッショナルさと親しみやすさのバランスに苦労することがあるという。
「握手というフォーマルな振る舞いは、絶対に間違いがない」とリッチーは言う。「それはリーダーシップを示し、自信を覗かせるものだ」
業界に合った服装をする
対面で集まる場では、その場にふさわしい服装をしなくてはいけない。
「その会社のオフィスや業界で働く人が着る服装を基準にして、そこからワンランク上を選ぶといい」とマンは話す。性別を問わず、ボタンダウンシャツなら無難な選択だという。エスカレラは、服装はシンプルにして、目を引くアクセサリーを一つ加えることを勧めている。
何が適切な服装なのかは業界によって異なる。マンによると、例えばスーツは、テック系のイベントでは場違いに見えるかもしれないが、弁護士の間では普通だという。
同じルールはオンラインにも当てはまるとリッチーは語る。
「ビデオ通話では、背後に映り込むものや、髪型にも気を配らなければならない。オンライン会議であっても身だしなみを整え、その場にふさわしい服装をすることが大切だ」
人脈づくりは必要になる前に始める
仕事が必要になってからようやく人脈づくりを始める人は多い。しかし、それは間違いかもしれない。
「景気が悪化して、仕事を失うことへの不安が広がると、決まってそのときに人脈づくりが活発になる」とクラークは話す。
見返りを求める大勢のひとりに埋もれてしまうのを避けるには、現在の職が安定していると感じられる時期であっても、人間関係を維持しておくべきだ。親しい知人であれば、テキストメッセージのやり取りを続けるだけでも大きな効果があるとクラークは考えている。そして、見返りを一切求めないタイミングで連絡を取るよう勧めている。
人間関係を維持することに決まった型はない。思いもよらないところから人とのつながりが生まれることもあるため、普段から自分の興味のあることについて積極的に話しておくことが重要だとマンは語る。
「あなたが知り合いたい人物を誰が知っているかを決して軽視してはいけない」
自分本位の姿勢を避ける
職場環境に詳しい専門家らは、自身の経験ばかりをアピールしすぎる人が多すぎると指摘する。
「『人を知る』ことに固執せず、『人に目を向ける』ことに注力すべきだ」とマンは話す。マンとエスカレラはともに、興味を持った相手には具体的な質問をいくつか用意しておくことを勧めている。
「うまいエレベーターピッチ(短時間での自己アピールや提案)を用意しておくのは、本当にすばらしいことだ。ただ、すべてを自分の話にしてしまってはいけない」とエスカレラは言う。そうすると、人脈づくりが「機械的」に感じられてしまうからだ。
頼みごとは控えめに
専門家によると、人脈づくりには本質的に、何らかのギブ・アンド・テイクが伴うことが多い。ただし、そのやり取りには慎重さも求められる。
「人脈づくりでは、力関係や立場の違いを意識しなければならない」とクラークは話す。例えば、親しい友人であれば頼める事柄であっても、浅い付き合いの相手には通用しない。
「何を頼むのかをかなり絞り込み、戦略的に考える必要がある。一度に頼めることはせいぜいひとつが限界だろう」とクラークは付け加えた。
マンは、頼む側から与える側へと発想を切り替えることが重要だと考えている。単に情報を引き出そうとするのではなく、その代わりに相手にどんな価値を提供できるかを考えるのだ。例えば、相手が近く旅行する予定なら、旅行先についての情報を教えるといった簡単なことでもいい。
どのようなやり取りであっても、感謝を示すことが重要だ。
「アドバイスをもらった数時間以内、遅くとも翌日には必ず連絡して、お礼を伝えること。そして、その後数週間以内に、相手からもらったアドバイスをどう生かしたかを伝えることも忘れてはいけない」とマンは話した。

