- 2026.11.06
- 著者 : THE ANSWER編集部・澤田 直人
「キモい、オカマは日常茶飯事でした」。トランスジェンダー女性の田村亮太が10月30日~11月1日、フィギュアスケートの東日本選手権・男子シングルに出場。フリーへの進出は逃したが、しなやかな演技を披露した。偏見の目、陰口に苦しんだ過去がある。それでも、等身大の自分を表現して、同じ悩みを抱える人に寄り添おうとしている。

フィギュアスケートの東日本選手権
「キモい、オカマは日常茶飯事でした」。トランスジェンダー女性の田村亮太が10月30日~11月1日、フィギュアスケートの東日本選手権・男子シングルに出場。フリーへの進出は逃したが、しなやかな演技を披露した。偏見の目、陰口に苦しんだ過去がある。それでも、等身大の自分を表現して、同じ悩みを抱える人に寄り添おうとしている。
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淡い紫色のスカートをなびかせ、優雅に舞った。長い髪を結い、指先まで神経を集中。ジャンプでミスは出たものの、一つひとつの演技に自分らしさを込めて滑り切った。
ショートプログラム(SP)で33.60点の28位。フリーには進めなかった。「スピードに乗って高く流れるジャンプを目指してきたので、見せられなかったのが残念です」。コーチを務める祖父と技を磨いてきた。十分に成果を発揮できず悔やんだが「練習してきたことは頑張ってできました」と前を向いた。
出生時に「男性」と割り当てられたが、性自認は「女性」。幼い頃は人形遊びが好きで、母親の真似をしてスカートを履いたり、化粧をしたりした。小学3年生の時、心と体の性が一致しないことを自覚。学生時代は「キモい」や「オカマ」と心ない言葉をぶつけられた。
フィギュアスケートを始めたのは小学4年生の頃。五輪メダリスト・浅田真央さんのトリプルアクセルに魅了され「私も跳びたい」と突き動かされた。氷上で浴びる風が心地よかった。
スケートの魅力に引き込まれていく一方、生きづらさも常につきまとった。避けて通れなかったのはトイレの問題。女子トイレには入れないため、多目的トイレがない場所ではひたすら我慢をしたり、人がいないことを確認して男子トイレに入った。無理を重ねた結果、膀胱炎になったこともある。
「今大会も多目的トイレがなく、ホテルを出る前から水分を摂ることを控えていました。なるべく我慢しなくていいようにホテルでストレッチを済ませて、会場にいる時間を減らしていました」