リタイア後の暮らしを考えてリフォームした中古住宅に住み替えを決行
| 種別 | 中古一戸建て(一軒家) |
|---|---|
| 構造 | 軽量鉄骨・3階建て |
| 間取り | 1階:仕事用キッチンスタジオ「J.U.Labo」 2階:プライベートLDK+寝室+水回り 3階:夫のワークスペース(バーカウンター付) |
| 建築面積・広さ | 2階プライベートスペース:約67平米 |
| 築年数 | 築約25年(購入・リノベ時) |
| 世帯構成 | 夫婦2人暮らし(上田さん62歳・夫66歳/子ども独立後) |
フランスやスイスで学んだ本格フレンチから、アイデア満載の家庭料理、さらにキッズクッキングまで幅広いレシピを手がける料理研究家の上田淳子(うえだ・じゅんこ)さん。これまで上梓した料理本は50冊を超え、最近はポッドキャスト「料理たのしくなる相談室」での軽妙なトークも評判です。私生活では双子の男の子の子育てに奔走してきましたが、晴れて子どもたちは独立。現在は新婚以来となる夫婦二人の生活が始まっています。
そんな上田さんの住まいは、中央線沿線の住宅街に立つ3階建ての一軒家。1階には上田さんが仕事で使うキッチンスタジオ「J.U. Labo」がありますが、今回、じっくり拝見するのは2階のプライベートスペースにあるキッチン。「シニアライフを見据えて夫婦でシェアすることをテーマにした」とのことで、L字形のオープンキッチンはすっきりシンプルで見るからに使い勝手がよさそうです。

L字形のキッチンはリビングダイニングとひと続きの空間に。写真の左側には窓もあり、明るく開放的だ(写真撮影/相馬ミナ)

兵庫県出身。辻学園調理技術専門学校で西洋料理・製菓・製パンを学び、研究職員を経て渡欧。スイスやフランスで料理修業を積み、帰国後はシェフパティシエを経て料理研究家として独立。2025年にフランス農事功労章シュヴァリエを受勲。多数の著書には、住み替え経験をまとめた『今さら、再びの二人暮らし』(オレンジページ)も。ポッドキャスト「料理たのしくなる相談室」は130回超(2026年10月現在)を数え、書籍化もされている(写真撮影/相馬ミナ)
上田さんによれば、キッチンを仕事用とプライベート用に分けるようになったのは、5年前、現在の家に引越してきてから。それまでは1つのキッチンで兼用していたそうです。
「見直すきっかけになったのはコロナ禍のステイホームです。当時はまだ息子2人も一緒に住んでいましたが、いつも仕事で夜遅くまで帰宅しなかった編集者の夫が在宅勤務をするようになり、近い将来やってくるリタイア後の暮らしをシミュレーションできました。
その中で特に不具合を感じたのはキッチン。料理撮影のときはスタッフの人たちが来て長時間にわたってキッチン周りで作業します。その間、家にいる夫はお茶やお水を飲みたくても自由に取りに来られないんですね。私がこれからも仕事を続けていくため、そしてリタイア後の夫の仕事スペースを確保するためにも、家をどうにかしないといけないという話になりました」
当初、考えていたのは25年間暮らしてきた前居のリフォームでした。前の家も同じく3階建てで、建て売りでした。子ども部屋を夫の部屋にしてミニキッチンをつくる、2階は壁を抜いて広めのダイニングキッチンに……など、二人でいろいろと案を出し合ったところ、「大掛かりなリフォームをするならいっそ新しい家に引越そう」という結論になったのだとか。
「家を建て替えるという方法もありましたが、ものすごく大変そうだし、費用もかさむ。土地を探して新築するほうがハードルは高くないかなと思ったんです」
場所の希望は、知人が多く住み慣れた前居近辺のエリア。しかし、いざ探し始めると、駅から遠かったり、値段が高かったりでなかなか見つかりませんでした。そこで、想定外ではありましたが、中古住宅を買ってリフォームする手段へと方向転換することに。
「近隣の不動産屋さんにあたりつつ、SUUMOの住宅・不動産検索サイトを活用しました。検索をしていくうちにサイトが条件を分析して、レコメンド機能で希望に合った物件情報をどんどん挙げてくれるようになるんです。半年ほどかかりましたが、ようやく見つけたのが今の中古住宅。ここもSUUMOが挙げてくれた物件なんですよ」
若干、予算オーバーだったものの、立地的には申し分なし。最寄駅からは徒歩圏にあり、雨の日や荷物が多いときにはバス便も利用できます。築年数は約25年と前居と同じくらいでしたが、「木造ではなく軽量鉄骨の建物だったので、私たち夫婦が暮らす間は耐久性の点でも問題ないかなと思いました」と上田さん。
リフォームにかけた期間は約4カ月。設計は「住み始めて何かあったときに相談しやすい」との理由から地元の建築士に依頼しました。インテリアが映えるシンプルな施工事例を見て、「この人なら」と思ったのだとか。予算を踏まえつつ親身に相談にのってもらえ、「工事が始まると毎日のように自転車で現場に足を運んでくれました。その方にお願いしてよかったです」と振り返ります。
リフォームで叶えた夫婦で共有できる理想のキッチン
リフォームの目的の一つはキッチンを仕事用とプライベート用に分離すること。その上で、上田さんにはある思惑があったと言います。
「夫は今66歳。この世代にしては家事はするほうですが、料理についてはキッチンが私の“城”でもあったのでやる気はあっても立ち入りにくかったみたいです。実際、冷蔵庫の中には常に撮影用の食材が入っていて、もし間違えて使ったら私に叱られてしまう(笑)。また、編集者である夫は仕事が忙しく、物理的にも家事をする時間がなかったんですね。でも、リタイアして時間ができたら料理はできるようになってほしい。簡単なものでも自分でつくれれば、先々私が入院するようなことがあっても困らないですから」
プランニングをする上でテーマにしたのは「夫婦で共有できるキッチン」。夫にとっての使いやすさもしっかり考えたそうです。
「キッチンカウンターの高さは身長181cmの夫に合わせて88 cmに設定しました。加えて、見直したのが収納。以前のキッチンは見た目を重視して隠す収納を多用し、ダイニング側からキッチンの中ができるだけ見えないような設計にしていましたが、それだとどこになにがあるかが分かりにくい。なので、道具類は極力減らし、必要なものがすぐに取り出せるよう『見える化』を徹底しました」
例えば、鍋はしまい込まずにひざ上から目の高さまでの位置でラックに並べ、大皿もやはり取り出しやすい高さのオープン棚へ。よく使うざるやお玉などもコンロ前の手の届くところに掛けてあります。ボウルやバットはキッチンカウンターの引き出しに収めているものの、数を絞って隙間をつくり、取り出しやすいよう工夫。調味料についても同じく最小限にし分かりやすく分類してあるため、「あれはどこだっけ?」といちいち探さなくて済むというわけです。

コンパクトで機能的な上田さんのプライベートキッチン。キッチンカウンターの下にはガスオーブンや食洗機が設置されている(イラスト/尾黒ケンジ)

鍋や大型の食器が並ぶ棚はすべてリフォーム時に造作。どこになにがあるか一目で見わたせ、重い鍋もスムーズに出し入れできる。「扉付きの収納だと鍋をしっかり乾かしてからしまわなければなりませんが、オープン棚ならその手間も省けます」と上田さん(写真撮影/相馬ミナ)

醤油、塩、胡椒などの基本調味料やオイル類はコンロ脇のスライド収納に一括(写真撮影/相馬ミナ)

シンク下の引き出しはボウルやバットのほか、スライサー、おろし金、ラップ類などの置き場に。詰め込まれていないのでさっと取り出せる(写真撮影/相馬ミナ)

よく使うざるや片手鍋はコンロ前のバーにハンギング収納。欲しいときにすぐ手にできる(写真撮影/相馬ミナ)
もう一つ、上田さんが注力したのは高齢になっても使いやすいキッチンにすることでした。L字型のキッチンは奥行きを十分に取りながら、コンロ側が約1.8m、シンク側が約2mと前居のキッチンよりコンパクトになっています。
「野菜を洗って、切って、炒めるという一連の作業も、今のキッチンはクルッと体の向きを変えるだけ。何歩も歩く必要がないので体への負担が少ないんです。さらに、鍋や食器はオープンの棚に並べてあるので、いちいち屈んで出し入れしなくて済むんですね。普段はあまり使わない食洗機をつけたのも老後を考えてのこと。高齢になると足腰を痛めることが多いので、そういうときでもできるだけラクに家事ができる工夫をしました」

コンパクトなL字キッチンは体の向きを変えるだけでほかの作業ができる。シンク側のワークトップは奥行きがたっぷりあり、下ごしらえから盛り付けまでストレスなくこなせるとか(写真撮影/相馬ミナ)
こうした希望を叶えるために上田さんが選んだのは、業務用厨房機器メーカー「タニコー」が手掛ける家庭向けオーダーキッチン“MEISDEL”です。ワークトップのサイズだけでなく、下部の収納についても引き出しの段数や高さを1mm単位で細かくオーダーできるのがありがたかったと言います。
「ショールームに行くときはワインの空き瓶を持っていって、『引き出しはこの高さに』と一つ一つリクエストしました。業務用のメーカーさんなのでステンレスの耐久性や耐熱性は優れていますし、機能性重視のデザインは見た目もスタイリッシュ。ステンレストップにもいろいろな種類があり、下部の面材も好きな材質と色を選ぶことができたので大満足ですね」
気になるのはL字のコーナー部分。奥まで手が届かずデッドスペースになりがちとよく聞きますが、「ここに引き出しをつけてもらったんです」と上田さんが指差したのはダイニング側の側面。引き出すとカトラリーや小皿などが整然と収まっています。
「入れているのは主にダイニングで使うもの。テーブルのすぐ近くにあるので食事の準備がスムーズにでき、コーナー部分をフルに使えるんです。これはタニコーさんからの提案なのですが、プロの視点でのアドバイスはありがたかったですね」

コーナースペースを活用した引き出し3段はカトラリーや小皿、お茶セットなどの置き場に活躍。それぞれ入れるものに合わせて高さも調整してある(写真撮影/相馬ミナ)

ダイニング側から使える引き出し収納のおかげでお膳立てもラクラク。テーブルとキッチンの距離が近いので食器の上げ下げもしやすく、キッチンカウンターが立ち飲みコーナーになることも(写真撮影/相馬ミナ)
完全プライベートの共用キッチンができてから、毎日の朝食づくりは夫の担当に。上田さんが1階で仕事をしているときには昼食も自分でつくっているそうです。
「引越しやリフォームがやる気スイッチになったみたいです。夫のほうから『朝ごはんは僕がつくる』と言ってくれました。会社で定年を迎えたのもきっかけになったようです。せっかくのやる気を削がないよう(笑)、当番制ではなくまるっと担当してもらいました。朝食なら材料も限られているのでつくりやすいですし、買い物から任せても負担にならないんですね。もっとも、いきなり『食事をつくって』と言っても戸惑ってしまうでしょうから、これから任せたい!という方はまずは朝のコーヒーを淹れてもらうなど小さなことから始めてみるのがよいのかも」
上田さん自身も新しいキッチンで心機一転。前にも増して日々のお手入れと整理整頓が念入りになったというから、まさに双方よしといえそうです。
1階と3階は個のスペースとして自分好みにリフォーム
引越しを機に、生活スタイルにも変化が生まれています。その一つがお互いのテリトリーの明確化。先述の通り、1階のキッチンスタジオは上田さんの専用スペースとなり、料理撮影のほか、新作の試作をしたり、料理教室を開いたりといったことが気兼ねなくできるようになりました。
「親しい友人たちがワイワイと集うのもこの1階。外から直接出入りできるので、若い料理家さんのトライアルの場にしてもらうなどレンタルスペース的に使うことも考えています」

改装した1階のキッチンスタジオ。2列型のオープンキッチンは火口とシンクが2つずつあり、大勢で作業ができる。手前には15人程度が座れるテーブルを配置。保健所の許可も取得済みで料理イベントにも利用可能。ポッドキャストの収録もここで行っているそう(写真撮影/相馬ミナ)
一方、3階はすべて夫のワークスペースになっています。デスクの傍らに壁一面の本棚が造作され、一角には趣味のウイスキーを楽しむためのバーカウンターも。シンクも設置されているので、仕事の合間にコーヒーを淹れることもできます。
「リフォームをするとき、お互いのテリトリーについては口出ししないことをルールにしました。夫のスペースは壁の塗り替えや床を畳からフローリングに替えたくらい。建具職人だったという前の持ち主の歴史を引き継ぎたいというのが夫の意向だったんです」
日中は1階と3階に分かれた個々の空間で過ごし、食事やくつろぐときは2階で時間を共有する――。つかず離れずの距離感が長年連れ添った今の2人には心地よいそうです。

夫の仕事スペースは雪見障子をはじめ既存の建具を活用しながら、床の色に合わせてダークブラウンに塗装。和モダンのシックな空間に仕上がった(写真撮影/相馬ミナ)

3階に設けたバーカウンターは上田さん曰く、「男のロマン」。夫の友人たちが集まってお酒を楽しむ日もあるとか(写真撮影/相馬ミナ)
この家への転居を機に見直したものには家具もあります。新居に運び込んだ大型家具はダイニングセットと夫のスペースに置いた本棚1つだけ。前の家で使っていたソファや洋服ダンスは思い切って手放したそうです。
「家具を減らしたのはこの先の体力を考えてのこと。家具の処分って意外に労力がかかるし、もしまた引越すことがあったら身軽なほうが動きやすいかなと思いました。それにソファがないほうがリビングを広々と使えますよね。暮らしてみて必要だと思ったら、あとから置けばいい。洋服ダンスをなくしたのには地震に備える意味もあります。タンスの代わりに寝室にウォークインクローゼットを造作してもらいました。寝室以外にもつくれそうなところにとにかく棚をつくり付けてもらって、収納家具が必要ないようにしました」
今の自分たちにとって本当に必要なものを考え、ときには潔く削ぎ落とす。それもまた快適な暮らしを生む秘訣といえるのでしょう。

2階のプライベートスペースは寝室や水回りを含めて約67平米。写真・右側のリビングには現在、一人掛けのリクライニングチェアと丸テーブルを置いた。もっぱら夫のくつろぎスペースになっている(写真撮影/相馬ミナ)

ダイニングに設置した造作の収納棚。食器やグラスのほかに果実酒や保存食のボトルもズラリと並ぶ(写真撮影/相馬ミナ)
1人前にブロッコリー150gを使用。爽やかリッチなクリームパスタはワインのつまみにも絶好!
新居で夫婦2人暮らしが始まってから食生活にも変化がありました。子育て中は大容量のスペアリブを2パック買っていた上田家ですが、夫婦2人では1パックでも持て余すように。つくり過ぎない、余らせないという料理のダウンサイジングを意識しているそうです。
「食の好みも変わり、牛肉は赤身を選ぶなどさっぱりしたものが多くなりました。でも、たまには唐揚げも食べたいし、そのあたりのバランスは取って完全老人食にはならないようにしています」
もちろん、「お腹を空かせた子どもたちのために、とにかくごはんをつくらなきゃ!」と追われていたころとはスタンスも一変。時間にも心にも余裕ができた現在は、料理をつくりながらワインを開けるといった別のたのしみも生まれています。
そんな上田さんが目下、ハマっているのが「お酢」。2階のキッチンに置く調味料は少数精鋭にしているものの、お酢に関してはいくつもの種類を揃えて使い分けているのだとか。
「もともと西洋料理がベースなので、日本のお酢以外にワインビネガーやバルサミコ酢は常備していましたが、あるときからお酢の面白さに目覚めてしまって。旅先で見つけたものやおみやげにいただいたものなど自然と種類が増えました。使ってみるとそれぞれ風味が違って楽しいんです。
例えば、イギリスの国民食、フィッシュ&チップスにはモルトビネガーがやはりよく合うし、柿ビネガーはフルーティーなやさしい甘さがあるのでいつもの酢の物がちょっとしゃれた味になるんです。酸味をダイレクトに活かすだけでなく、炒めものの仕上げに忍ばせて後味をさっぱりさせるなど使い方も広がりますね」

上田さんのお酢コレクション。手前左から、玄米を醸造した“臨醐山黒酢”、サラダによく合うバルサミコ酢の白と赤、後ろ左から、赤ワインビネガー、白ワインビネガー、おみやげにもらったモルトビネガー、ベーシックな米酢、柿ビネガー。「レモンとすだちを使い分けるのと同じように、お酢も使い分けると料理の味わいが変化して楽しいですよ」と上田さん(写真撮影/相馬ミナ)
また、シニアになると食べる量も減りがちなため、1食の栄養バランスを今まで以上に考えるようになったと言います。そのお手本となる一品が、今回教えてもらったブロッコリーとベーコンのショートパスタです。
「ランチによくつくっているのがこのパスタ。1皿に150gのブロッコリーが入り、タンパク質はベーコンや生クリーム、炭水化物はパスタで摂れる完全食なんです。ブロッコリーは柔らかく蒸し煮にしてから潰し、あえてグズグズにしてパスタに絡ませるのが私の好み。もし硬めが好きなら蒸し煮の時間を短めにしてもいいですよ」
ショートパスタはらせん状の溝があるフジッリを使いましたが、ペンネやマカロニなど好みのものでOK。調味は塩と胡椒だけとシンプルで、調理時間は15分程度と手軽につくれるのも魅力です。
ブロッコリーのクリームパスタ
●材料(1人分)

(写真撮影/相馬ミナ)
・ブロッコリー 150g
・ニンニク 小1片
・ベーコン(薄切り)30~40g
・オリーブオイル 小さじ1
・生クリーム 100ml
・ショートパスタ(※) 80g程度
・塩、胡椒 各少々
・粗挽き黒胡椒(好みで)適量
※ショートパスタは好みのものを。今回はらせん状のフジッリを使用。
●つくり方
①ブロッコリーは小房に分け、茎の太い部分は表面の硬い皮を取り除いて細かく切る。ベーコンは7~8mm幅の細切りに、にんにくはみじん切りにする。

ブロッコリーを小房に分けるときは、茎側から包丁を入れると上の花蕾(からい)がバラバラになりにくい(写真撮影/相馬ミナ)
②フライパンに①とオリーブオイル、水1/3カップを入れて蓋をし、中火にかける。煮立ったら弱めの中火にし、5~8分蒸し煮にする。途中で水がなくなったら少量足す。

ブロッコリーは茹でずに蒸し煮にすることで栄養を余さず摂れる。ベーコンも一緒に加熱すれば旨みもアップ(写真撮影/相馬ミナ)
③ブロッコリーをヘラで崩す。細かく崩すとパスタに絡みやすくなる。

ブロッコリーの崩し加減はお好みで(写真撮影/相馬ミナ)
④生クリームを加えトロッとなるまで煮たら、塩、胡椒で味を調える。

生クリームが煮詰まり過ぎたらパスタの茹で汁か水で調整を(写真撮影/相馬ミナ)
⑤パスタを茹でる。大きめの鍋に湯を沸かし、湯の1%の塩(分量外)を加える。パスタを入れ、パッケージの表示通りに茹でたらざるにあげて湯を切る。④を再度中火にかけ、茹でたパスタを入れて軽く煮絡める。味をみて薄ければ塩を足す。器に盛り、仕上げに粗挽き黒胡椒をふる。

(写真撮影/相馬ミナ)

手軽につくれるパスタ料理は忙しい日のランチに大活躍。ショートパスタのもちもち感と煮崩したブロッコリーのホクホク感が食欲に弾みをつける。仕上げにかけた粗挽き黒胡椒が絶妙なアクセントに(写真撮影/相馬ミナ)
生クリームのソースがとろ~り絡まるパスタはリッチでボリューミー。とはいえ、食べ心地は意外なほど軽やかで、150gのブロッコリーがペロリと胃袋に収まってしまいます。上田さんによれば、パルミジャーノなどのチーズはあえて加えず、ベーコンの旨みを活かすところにポイントがあるのだとか。しかも、この一皿で栄養バランスもバッチリ。ショートパスタはのびにくいのでワインのつまみにもうってつけです。
そもそも上田さんが自分たちのシニアライフを考えるようになったのは50代半ば。
「体力も気力もある時期だったから家を買ってリフォームするという大きなイベントもこなせましたが、60代に入ってからではそこまでの行動力はなかったかも」と振り返ります。老後はまだ先と後回しにせず、早めに算段することが大切なのでしょう。そのときに生活スタイルを見つめ直してみることも必須です。
「一時期は自然豊かな場所にもう1軒、家を持って二拠点生活をすることも考えましたが、2つの家を管理するのはかなり大変そう。それならホテルに滞在するほうがいいかなと思うようになりました。生活の基盤も、私たちの場合は交通アクセスがよく、日常の買い物が便利にできて病院が近くにあるほうが向く。友人たちが気軽に集まれる場所だから老後も楽しく暮らせそうです」
まずは夫婦で理想の暮らし方を話し合ってみること。お互いの考えを伝え合ううちに、思わぬライフハックが生まれるかもしれません。