証券化支援事業における【フラット35】の債権に係る融資審査等について/会計検査院
会計検査院の検査結果に係る住宅金融支援機構の対応について/住宅金融支援機構
なにが問題? 住宅ローン【フラット35】の不適正利用
【フラット35】は、独立行政法人住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「全期間固定型」の住宅ローンだ。住宅金融支援機構は、基本的な利用条件に加え、良質な住宅の普及のために住宅の技術基準などを定めているが、利用する人に対する審査については、窓口となる民間金融機関が行っている。
【フラット35】は、国民の住宅取得を支援するための住宅ローンなので、自分たちが居住するための、いわゆるマイホームの購入での利用に限られる。融資資金の使途については「本人または親族が居住する新築住宅の建設・購入または中古住宅の購入のための資金」とされており、居住するつもりがないのに賃貸住宅や店舗・事務所などに利用することは禁じられている。
会計検査院が、2023・2024年度に融資を受けた住宅について調査したところ、店舗や事務所、民泊などとして利用されている事例が見つかった。住宅金融支援機構は金融機関が審査によって融資を決めたローンについて、利用を承認する立場にあることから、会計検査院は未然に防止するために融資審査のさらなる改善などを求めた。なお、不適正利用が発覚した場合は、融資残高の一括返済や損害賠償などを求められることがある。
【フラット35】の利用条件を改めて確認しよう
さて、【フラット35】を利用するには、資金使途のほかにもさまざまな条件がある。改めて、確認しておこう。
- 申込時の年齢が満70歳未満
- 借入額は100万円以上1億2000万円以下(1万円単位)。ただし、建設費や購入価格まで
- 借入期間は15年以上35年以内。ただし、完済年齢80歳までの期間
- 借入対象となる住宅は、技術基準に適合する住宅で、床面積が一戸建て50平方メートル以上、マンション30平方メートル以上
- 借入額※は、年収に占める年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が次の基準を満たす(収入を合算できる場合がある)必要がある
| 年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
|---|---|---|
| 基準 | 30%以下 | 35%以下 |
※利用する住宅ローンに加えて、他の自動車ローン、カードローンなどのすべて合わせた借入額
出典:住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト
なお、本人等が居住するのであれば、セカンドハウスの購入でも【フラット35】を利用でき、他の金融機関の住宅ローンを【フラット35】に借り換えることもできる。また、1つの住宅に2人でそれぞれ住宅ローンを組む「ペアローン」も用意されており、それぞれで異なる返済期間を選ぶことも可能だ。ただし、セカンドハウスや借り換え、ペアローンなどを扱っていない金融機関もあることに注意したい。
【フラット35】の金利についても確認しておこう
次に、金利についても確認しておこう。
金利タイプは、全期間固定型で、毎月返済額が一定となる「元利均等返済」のほか、元金の額を一定とするため毎月返済額が徐々に少なくなる「元金均等返済」を選べる。
■元利均等返済(左)と元金均等返済(右)の仕組み

出典:「SUUMO住まいのお役立ち記事」より
適用される金利は、窓口となる金融機関によって異なり、融資率が9割以下か9割超かによっても金利は変わる。なお、2026年10月時点の一般的な適用金利は次の通り。
■2026年10月のフラット35の金利例(新機構団信付き)※融資率9割以下
| 返済期間 | 金利の範囲 | 最頻金利 |
|---|---|---|
| 15年~20年 | 年3.51% ~ 年5.52% | 年 3.51% |
| 21年~35年 | 年3.83% ~ 年5.84% | 年3.83% |
| 36年~50年 | 年4.10% ~ 年6.02% | 年4.10% |
※返済期間36年~50年は【フラット50】と呼ばれ、長期優良住宅として認定されているなどの条件を満たす必要がある。
出典:住宅金融支援機構【フラット35】公式サイト
また、【フラット35】にも金利引き下げ制度がある。2026年度については家族構成や住宅の性能などによるポイント制となっており、1ポイントについて年0.25%引き下げられる仕組みとなっている。特に、子育て世帯には有利なポイント制になっているので、【フラット35】のサイトで詳細をしっかり確認したい。
なお、注意したいのは、適用される金利は申込時点ではなく、「融資実行時点」で決まること。特に新築マンションのように、売買契約=融資申込 → 引き渡し=融資実行までの期間が長い場合は、その間に金利が大きく変動することもありうる。
住宅ローンの利用には、こうしたさまざまな条件があるので、不動産会社任せで知らなかったということのないようにしよう。ここで紹介した内容も主なものだけなので、気になる点は自身でも確認をしてほしい。
さて、金融市場の長期金利の上昇により【フラット35】の金利も上がっているが、変動型の金利も日銀の利上げによって上がっている。ただし、上がり方や背景となる要因は異なるので、今後も金利の動向には注意が必要だ。また、住宅ローンを選ぶ際には、金利の高い低いだけでなく、それぞれの家庭に合った柔軟な組み方ができるか、返済途中で変更ができるかなども重要なポイントになる。複数の住宅ローンをしっかり比較検討して、自分たちに適したものを選ぶことが大切だ。