
Huaweiのスマートフォン「Mate」シリーズで最上位に君臨する「RS 非凡大师」(非凡な巨匠、の意。英語名はULTIMATE DESIGN)。前モデルの「Mate 80 RS 非凡大师」は、シリーズ唯一となる実行メモリ20GBや、4倍と6.2倍の2つの望遠カメラを備えた豪華な仕様でした。
Huaweiはその後継となる「HUAWEI Mate 90 RS 非凡大师」を10月1日に中国で発表しました。価格は12999元(約30万6000円)からです。カラーバリエーションは瑞红(レッド)、皓白(ホワイト)、玄黑(ブラック)の3色展開。

SoCやカメラの基本構成は同時発表の「Mate 90 Pro Max 典蔵版」と共通で、天通衛星通信への対応や背面ガラスの意匠、2TB構成の有無などが主な違い。
中枠の素材には高光沢の「高亮钛」(チタン)を採用。Pro Max 典蔵版と同様に画面側には「玄武昆仑玻璃」(Xuanwu Kunlun Glass)を備え、Huaweiは一般的なガラスと比べて反射を70%抑え、傷への強さを16倍に高めたとしています。
背面には新たに「动态光栅昆仑玻璃」(Dynamic Lenticular Kunlun Glass)を使用。希土類を用いた配合と光に反応して発色する技術を取り入れたとのこと。背面の模様には「登高纹」(Ascending Texture)と呼ぶ新デザインを施しています。本体サイズは高さ164.5mm、幅78.7mm、厚さ8.4mm、重さは約248g。
SoCには「Kirin 9050 Pro」を搭載。Huaweiが「逻辑折叠」(LogicFolding、論理の折りたたみ、の意)と呼ぶ設計を採用し、トランジスタ密度は1平方mmあたり2.38億個と28%向上したとのこと。Pro Max 典蔵版と前年のMate 80 Pro Maxを比較した社内試験では、総合性能が31%向上したとうたっています。
画面は6.9型、解像度2848×1320の2層OLED(有機EL)。1〜120HzのLTPO可変リフレッシュレートと1440Hzの高周波PWM調光に対応。Huaweiが「全彩灵珑屏」(Full-color Linglong Display)と呼ぶディスプレイで、BT.2020の広色域をうたい、1% APL時のピーク輝度は1万2000ニトに達します。
背面カメラは、F1.4〜F4.0の可変絞りを備える5000万画素メイン、4000万画素超広角、2億画素望遠の3眼に、色再現を補う第3世代「红枫原色摄像头」(True-to-Color Camera)を組み合わせた構成。3基のセンサーはいずれもRYYB配列を採用し、Huaweiはメインカメラのダイナミックレンジを18EVと公表しています。望遠は約4倍(焦点距離換算89mm)で、2億画素での撮影はこの4倍の画角でのみ利用可能です。

前モデルからの大きな変更点がこの望遠部。Mate 80 RSは約4倍(換算90.5mm)と約6.2倍(換算140mm)の2基の望遠カメラを内蔵していましたが、Mate 90 RSでは1基に整理されました。光学品質ズームとしてアピールする倍率も、従来の12.4倍から8倍へと引き下げられています。
その代わりにRSが対応したのが、別売のモジュールカメラ「华为睿影 Z10」(HUAWEI XMAGE Z10、以下Z10)。1型の積層型CMOSセンサー(5000万画素)と6群19枚のレンズ群を備え、換算24〜240mmの焦点距離を10倍の連続光学ズームでカバーします。開放F値はF2.0〜F4.5で、77mm径のフィルターも装着可能。本体背面へ直接はめ込んで使う構造で、撮影機能はPro Max 典蔵版やRSなど一部の対応機種に限定されます。

Z10の単体価格は5999元(約14万1000円)で、重さは約346g。Mate 90 RS本体と合わせると約594gに達します。公式仕様表におけるZ10の寸法はPro Max 典蔵版用とRS用で分かれており、高さはそれぞれ79.47mmと78.41mm。快科技によると、取り付け部の規格はPro Max 典蔵版用が「H1」、RS用が「H2」となっており、装着端末に合わせて選ぶ形とのことです。

通信機能では、天通衛星通信と北斗衛星メッセージの2方式に対応。天通衛星通信はPro Max 典蔵版の仕様には含まれておらず、RSならではの差別化要素です。前モデルのMate 80 RSも両方式に対応していました。天通衛星通信は対応する通信事業者のサービス契約が必要で、北斗衛星メッセージは中国本土(香港・マカオ・台湾を除く)限定です。
SIMはnanoSIM 2枚とeSIM 2つの計4回線を収容可能。後日のOTAアップデートにより、そのうち3回線を同時に待ち受けられる「四卡三待」(4枚のSIMで3つを待ち受け、の意)機能に対応予定です。待ち受ける3回線のうち2回線以上を、中国本土の同じ通信事業者にそろえることが条件です。IT之家によると、セキュリティ面ではMSPとeSEの2つのチップによる保護機構も備えているとのこと。
バッテリー容量は6800mAh(定格6615mAh)で、Mate 80 RSの6000mAhから800mAh増量。充電性能は有線100W、ワイヤレス50Wに対応。保護等級は水深6mまでのIP68とIP69の防水防塵をクリア。同梱品には専用ケース「星钻保护壳」(星ダイヤの保護ケース、の意)が含まれます。
中国市場での価格は、実行メモリ16GB・ストレージ512GB版が12999元(約30万6000円)、16GB・1TB版が14999元(約35万3000円)、16GB・2TB版が18999元(約44万8000円)。
| 項目 | HUAWEI Mate 90 RS 非凡大师 |
|---|---|
| OS | HarmonyOS 7.0 |
| SoC | Kirin 9050 Pro |
| 実行メモリ | 16GB |
| ストレージ | 512GB / 1TB / 2TB(microSD非対応) |
| 画面 | 6.9型 2層OLED、2848×1320、1〜120Hz LTPO、1440Hz PWM調光、ピーク輝度1万2000ニト(1% APL) |
| 画面ガラス | 玄武昆仑玻璃 |
| 背面カメラ | 5000万画素メイン(F1.4〜F4.0可変絞り、OIS、RYYB) 4000万画素超広角(F2.2、RYYB) 2億画素望遠(F2.6、OIS、約4倍光学、RYYB) 第3世代红枫原色摄像头 |
| 前面カメラ | 1300万画素超広角(F2.0、AF)、3D深度カメラ |
| 外付けカメラ | 华为睿影 Z10に対応(別売) |
| 電池容量 | 6800mAh(定格6615mAh) |
| 充電 | 有線100W、ワイヤレス50W、有線リバース18W、ワイヤレスリバース対応 |
| 防水防塵 | IP68(水深6m)、IP69 |
| 衛星通信 | 天通衛星通信、北斗衛星メッセージ |
| SIM | nanoSIM×2、eSIM(最大2つ) |
| 通信 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)、Bluetooth 6.0、NearLink(星闪)E2.0、NFC |
| 生体認証 | 3D顔認証、側面指紋認証 |
| 端子 | USB Type-C(USB 3.1 Gen 1) |
| 中枠 | 高亮钛(チタン) |
| サイズ | 164.5×78.7×8.4mm |
| 重さ | 約248g |
Mate 90 RSは望遠カメラを1基に減らしましたが、その分を外付けのZ10で補う割り切りは面白い判断です。普段は約248gの本体で身軽に持ち歩き、本気で撮りたいときだけ1型センサーと10倍連続光学ズームを足せるという使い分けができます。そうはいっても248gというのはスマホにしてはかなり重すぎるという問題はありますが……。
スマートフォンに1型センサーのカメラを後付けと聞いて思い出すのが、ソニーが2013年に投入したレンズスタイルカメラ。当時は定着しませんでしたが、ようやく時代が追いついてきた感があります。無線通信に課題があったので、最新技術で復活させてもいいのでは?と率直に思います。