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決して"民度が低い"からではない…大阪南部の「だんじり」が死傷者の出る「やりまわし」を続けざるを得ない構造

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2026/11/06 7:00
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PRESIDENT Online
今年、大阪各地のだんじり祭りで死亡事故が相次いだ。「岸和田だんじり祭」など各地の祭礼を研究する甲南女子大学の有本尚央准教授は「だんじりが高速化し、激しくなっていったのには、さまざまな背景がある。決して地域性で語られる問題ではない」という――。(構成=ライター・栗下直也)
やりまわしの様子(大阪臨海線岸和田港交差点にて)
やりまわしの様子(大阪臨海線岸和田港交差点にて)(写真=Kounosu/CC-BY-SA-3.0,2.5,2.0,1.0/Wikimedia Commons)
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死亡事故で噴出した「だんじり祭」の是非

10月10日午前11時ごろ、大阪府泉佐野市長滝の交差点。右に曲がろうとしただんじりが大きく傾き、横転した。

「ドーン」と大きな音がした――目撃した近所の男性は、新聞の取材にそう語っている。下敷きになった51歳の男性が死亡し、7人が骨折など重軽傷を負った。

2時間あまり後、今度は泉大津市宮町の交差点で、やはり右折中のだんじりが倒れた。48歳の男性が亡くなり、9人が負傷した。1日で2人が死亡、16人が重軽傷を負った。

2つの事故はどちらも、交差点を勢いよく曲がる「やりまわし」の最中に起きた。亡くなった2人は、曲がる瞬間に車体にぶら下がり、自分の体重を重りにしてバランスを取る「たかり」という役を担っていた。

だんじりは精巧な彫り物で飾られた木製の山車で、主流のものは高さ4メートル弱、重さ4トンほど。ハンドルはない。やりまわしでは、交差点の手前でいったん止まり、そこから一気に走り出して、数百人の力だけで車体を直角に曲げる。

事故の後、ネット上では祭りの是非をめぐる議論が過熱した。大阪南部の「民度」を持ち出して、地域性に結びつける声も目立った。だが、速さを競う祭りは、昨日今日生まれたわけではない。

「一足飛びに、全然違うものに変化したというよりは、ちょっとずつ変化を積み重ねてきた」

甲南女子大学の有本尚央准教授はだんじりの変化をこう指摘する。有本氏は、各地の祭礼のほか、「岸和田だんじり祭」を事例にした研究や論文を発表している。

事故が起きたのは岸和田ではないが、泉大津と泉佐野に挟まれた岸和田の歴史をたどると、祭りがなぜ速さと迫力を求めるようになったのかの本質が見えてくる。民度の問題では決してないのだ。

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