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人事・DEIプロフェッショナル(フィンランド在住)
※本稿は、大石由弥『幸せの国フィンランドに学ぶ「静かな人」の働き方』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
労働協定で守られている「カフヴィタウコ」
フィンランドには「カフヴィタウコ」という言葉があります。カフヴィはコーヒー、タウコは休憩。つまり、「コーヒー休憩」のことです。この習慣の中に、静かな人が消耗しないためのヒントがたくさん詰まっています。
静かな人は、周りの様子や人の表情、その場の空気と、たくさんのものを自然と受け取ってしまいがちです。あなたが人より疲れやすいとしたら、それは感じ取る力が豊かなだけです。だからこそ、意識して刺激を減らす時間が人一倍必要です。スマホの画面から目を離す。通知をしばらく切っておく。誰にも話しかけられない場所に、少しのあいだ身を置く。頭を空っぽにする時間が、エネルギーを静かに満たし直してくれます。
フィンランドでは、この遮断の時間が、労働協定として守られています。それがカフヴィタウコです。法律ではないのですが、働く人の権利として認められています。休憩そのものが、仕事の効率を上げると考えられているからです。
日本に、同じ制度はありません。でも、自分で意識してタウコの時間を作ることはできます。好きなコーヒーを自分で淹れてみる。意図的に通知を切る。あるいは、いつもと違う席に座るのでもいい。普段のルーティンからほんの少し外れて、違う景色を見る。それだけで、頭の中に余白が生まれます。
無駄に見える時間が次の効率を支える
タイムパフォーマンスという言葉をよく聞く毎日ですが、その効率の合間に、あえて効率の悪い時間を挟んでみます。無駄に見える時間が、次の効率を支えています。
私自身がやっているのは、週に1回、1時間だけ自分のデスクを離れ、人通りの多い1階の席であえて働くことです。まるまる1時間集中して仕事することもありますが、大半の場合は、違う部門の人が通りかかって、ちょっとした雑談が生まれます。その雑談から関係が育って、あとで普段の仕事に生きてくることもあります。自分から売り込みに行くのが苦手な内向型のための、いわば「待ちの戦略」です。しかも、場所を変えるだけで、メールや通知の刺激からいったん離れられます。
