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6人で半年の開発が「1人で1週間」に SMFLが生成AIを活用した企業向け新サービス発表

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 6人で半年かかっていたシステム開発が、わずか1人で1週間に。そんな驚きの事例を紹介したのは、意外にもリース会社でした。

 三井住友ファイナンス&リース(SMFL)は、米国Replit(リプリット)社と協業し、生成AIを活用した企業向けのパーソナライズ型SaaS(Software as a Service=クラウド型ソフトウェア)を提供すると発表。プログラミングの専門知識がなくても、自然言語による指示で業務システムを開発できる「バイブコーディング」を、企業向けに展開します。

 11月4日に行われた発表会では、開発期間の大幅な短縮だけでなく、企業ごとの細かな要望への対応や、安全性を確保する仕組みについても説明されました。

■ なぜリース会社が生成AIサービス? 自社の課題解決から生まれた事業

 SMFLは、金融機能を中心に企業向けリースの提供やDX(デジタル化)の推進を行ってきた企業。リース会社がなぜシステム開発のソリューションを提供するのか、という問いに対して、同社代表取締役社長の今枝哲郎氏は、自社が取り組んできた「モノの管理」と「課題解決」という2つの柱が背景にあると語りました。

 同社では9兆円の営業資産を保有していますが、それぞれの種類や使われ方が異なり、正確な全体像の把握が難しかったことから、複雑な会計処理を正確かつ効率的に行えるシステムを開発し、顧客にも提供。現場の課題を自らデジタルで解決する文化が育ちました。

 2016年にはデジタル分野の内製開発部隊を持つ企業を買収し、クラウド資産管理サービス「assetforce(アセットフォース)」を自社開発。同サービスは現在200社以上で400万点を超える資産データを管理するサービスへと成長しましたが、各企業の利用に応じたカスタマイズの要望も多く、その対応がネックになっていたといいます。

 「エンジニアが開発する形の個別カスタマイズでは、仕組みが形になるまでに非常に手間と時間がかかるという課題があった」と今枝氏。こうした背景が、生成AIを用いて自然言語でクラウドベースのアプリケーションを開発する仕組みを提供するReplitとの協業につながったと語りました。

■ 6人で半年かけていたシステム開発を「1人で1週間」に短縮

 Replitでは、開発者がプログラミング言語を用いず、作りたいシステムの概要や挙動などを自然言語で入力。これを生成AIが解析して自動でコーディングする「バイブコーディング」という仕組みを用いることで、エンジニアとしての技術を持たない現場社員が自らシステムを開発することを可能にしています。

 「Replitを用いることで、文章だけでは伝えにくかった現場の知識、いわゆる暗黙知を動く仕組みとしてシステムに反映できる」と今枝氏。

 開発したシステムと、資産管理システム「assetforce」を接続するデータ基盤「assetforce data Platform(ADP)」によって、適切な情報統制とセキュリティの両方を実現していると語りました。

 AIを用いた大規模システム開発では、AI側の作業や稼働時間をその量に応じて購入する「トークン」と呼ばれる仕組みが用いられており、規模が大きくなるほどその消費量がコストを圧迫するという課題も存在していました。

 今回のサービスでは、これらのコストを抑えるための工夫として、作業内容を複数のAIタスクに細かく分割する手法を導入。AIタスク1つあたりの作業量を小さくすることでトークンの消費量を抑え、それぞれの作業結果を最終的に統合することで、効率化と目的達成の両方を実現しています。

 また、金融や会計システムで欠かせない計算結果の正しさを担保するため、AIにコーディングさせたコードを「自律的な品質管理エージェント」が独立して検証する仕組みを構築。最終的に完成したシステムを「FDE(Forward Deployed Engineer)」と呼ばれる専任エンジニアが確認する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」という手法を取り、安全面や保守面のクオリティを担保します。

 「この仕組みによって、要件定義後の開発からテストまでの期間を、従来の3分の1に圧縮できる見込み」と今枝氏。すでに自社内でこの仕組みを用いたシステム開発を進めており、これまで6人で半年かかっていた開発作業を1人で1週間という規模に短縮したと述べました。

■ AIによる効率化で「創造性を発揮する時間が生まれる」人間の役割はより重要に

 Replit社の創業者CEOであるアムジャド・マサド氏は、「AIエージェントが企業の仕事を担うようになることで、働き方が見直され、再編される」と指摘。同氏はこれを「セルフ・ドライビング・カンパニー(自律型企業)」と呼び、「AIの登場で人間が不要になるのではなく、判断や決定など、より重要な役割を担うようになる」と語りました。

 「AIの導入によって、Replit社内ではエンジニアのコード生産量が半年で約3倍になり、社員が創造性を発揮する時間が生まれた」とマサド氏は語る一方で、「人間がテクノロジーにコントロールされることがあってはならない」と、あくまで人間中心の理念が大事であると強調。

 「企業がこの道を進む上で最も重要な領域は、セキュリティとガバナンス」とし、「AIエージェントが会社の情報へ適切かつ安全にアクセスする『セキュアエージェントアーキテクチャ』の仕組みが重要」との見方を示しました。

 これに対して今枝氏も、「完成したシステムを一方的にお客様に渡すことがゴールではない」とコメント。「FDE(Forward Deployed Engineer)」を務める自社のエンジニアが顧客の現場で共に業務を整理し、フィードバックを受けながらプロトタイプを発展させていくことで、「現場の暗黙知を取り込みながら、理想の仕組みへと近づけていく」と、伴走型のシステム作りを強調しました。

取材協力:三井住友ファイナンス&リース株式会社

(天谷窓大)

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