米司法省とFBIが、中国政府と関係するハッカー集団の攻撃用ツールを押収しました。調査の対象には、日本の空港も含まれていたといいます。
米司法省は10月8日、中国政府との関係が指摘されるハッカー集団「Flax Typhoon(フラックス・タイフーン)」が使用していた、2種類のサイバー攻撃用ツールの運用基盤を差し押さえたと発表しました。
これらは中国企業「Integrity Technology Group(Integrity Tech)」が開発・運用していたとされ、米国をはじめ世界各国の重要インフラなどを標的にしていました。
■ 日本の空港も攻撃対象に
今回、利用を阻止したのは「Microscan」と「FishHub」と呼ばれる2つのハッキングツールです。
「Microscan」は、インターネット上のシステムを調べ、攻撃に利用できる弱点を探すためのもの。マルウェアに感染したIoT機器などを利用して、世界各国のネットワークを調査していました。
その対象には、日本とポーランドの空港のほか、米国の電力会社、台湾の電力・天然ガス関連企業などが含まれていました。
ただし、日本の空港については、システムの弱点を調べる攻撃の対象になっていたというもので、実際に侵入されたり、情報が漏えいしたりしたと発表されたわけではありません。
一方、「FishHub」は、特定の相手を狙ったフィッシング攻撃などに利用されていたツールです。侵入先に追加の不正プログラムを送り込み、遠隔操作や情報の窃取などに使用されていたとされています。
こちらについては、台湾のおよそ20大学で被害が確認されています。
■ 2024年にも攻撃基盤への妨害措置
米司法省によると、中国企業「Integrity Tech」の攻撃基盤に対する公表済みの妨害措置はこれで2度目。2024年9月にも、世界で20万台以上の機器が組み込まれたボットネットへの妨害措置を実施していました。
また、今回の対応には、日本の警察庁や国家サイバー統括室も協力しています。この発表にあわせ、FBIや日本の警察庁、国家サイバー統括室、英国やオーストラリアなどのサイバーセキュリティ関係機関が共同で作成した報告書も公開されています。
なお、米司法省の今回の発表では、最近日本国内で相次いでいる個人情報漏えいなどの事案との関連性は触れられていません。
<出典>
米司法省(2026年10月8日)
中国政府系サイバー攻撃者の手口に関する国際共同報告書(PDF)