詩人・茨木のり子の生誕100年、没後20年に当たる2026年に「茨木のり子全日記」全3巻の第1巻が出版された。これまで雑誌や企画展などで一部が紹介されてきた日記の全貌が初めて公になり、濁りがなく、強く美しい詩の行間を埋める個人史が見えてくる。全日記を編集、発行する「katsura books」(東京都)の織田桂さん(59)にその魅力を聞いた。
「神格化されすぎ」
7月に発行された第1巻は1949年11月~52年と、55~62年の日記。新婚時代や20~30代の頃の夫婦げんかと仲直り、日々の台所事情、谷川俊太郎ら詩人仲間との交流、本や映画、芝居に対する辛口の批評などがつづられている。
織田さんが日記の存在を知ったのは、フリーライターとして作家の素顔に迫る本の編集を手掛け、茨木が住んだ西東京市の自宅でその暮らしぶりを取材していた15年。茨木の著作物や住宅などを管理するおいの宮崎治さんが「のり子さんの日記は『富士日記』のような作品になると思う」と言って日記を見せてくれた。
「富士日記」は…
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