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- 田子森 勇貴
2026年11月6日 00:00
Bluetooth技術の標準化団体であるBluetooth SIGは、データ転送の高速化や通信容量の拡大などを実現する新技術「Bluetooth High Data Throughput(Bluetooth HDT)」の採択を発表した。最大ビットレートは7.5Mbpsとなり、従来のBluetooth LE 2M PHYと比べて約4倍に引き上げられる。
Bluetooth HDTは、新たに採択された「Bluetooth Core 7.0」に含まれるオプション機能。データ転送速度の向上に加え、エネルギー効率や通信の信頼性も改善され、ワイヤレスオーディオやスマートウォッチ、XR機器など、幅広い用途への活用が期待されている。
通信速度だけでなく省電力性能や信頼性も向上
Bluetooth HDTでは、堅牢性の高い変調方式を採用した新たな物理層(PHY)が導入される。これにより、Bluetooth LE対応デバイスで従来よりも大量のデータを効率的に転送できるようになる。
最大ビットレートは従来の2Mbpsから7.5Mbpsへと引き上げられ、ファイル転送やデータ同期にかかる時間の短縮が期待される。
また、周波数利用効率の向上により、限られた無線リソースの中で、より多くのデータをやり取りできるようになる。
エネルギー効率の面では、短時間で大量のデータを転送することで、無線部が送信を行う時間を短縮できる。低消費電力状態を維持する時間が長くなるため、デバイスの性能向上と省電力化の両立が図られる。
通信の堅牢性や信頼性も強化され、幅広い利用環境において安定したワイヤレス通信性能を維持しやすくなるという。
2027年にはロスレス・ハイレゾ音声への活用も
Bluetooth HDTを活用した最初の代表的な用途として、2027年には標準化されたプレミアムワイヤレスオーディオの登場が見込まれている。
通信容量の拡大により、ロスレスオーディオやハイレゾオーディオの標準化が可能になるほか、マルチチャンネルサラウンドサウンドや空間オーディオなど、高品質なワイヤレス音声体験への活用が期待される。
スマートウォッチやAI対応機器にも活用
Bluetooth HDTは、オーディオ機器以外にも、スマートウォッチやスマートグラス、スマートホーム製品、XR機器、AI対応デバイスなどへの応用が想定されている。
たとえば、スマートウォッチに蓄積された数時間分のトレーニングデータを数秒でスマートフォンに同期したり、スマートホーム製品のファームウェア更新時間を短縮したりする用途が挙げられている。
AI対応機器では、デバイス間で大量のデータを高速に転送することで、より高度なAI機能の実現につながるという。また、商業・産業分野では、設備の監視や自動化システムなどへの活用も期待される。
なお、Bluetooth HDTはBluetooth Core 7.0のオプション機能であり、利用には対応デバイスへの実装が必要となる。
