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2,000万円あった退職金が…60歳男性の衝撃
精密機械メーカーで38年間勤め上げ、2026年春に定年退職を迎えた佐藤哲也さん(60歳・仮名)。支給された退職金は約2,000万円でした。住宅ローンはすでに完済しており、58歳の専業主婦の妻・由美子さん(仮名)と、これからは夫婦でゆっくり過ごせると考えていました。
哲也さんは継続雇用制度を利用し、嘱託社員として働き続けることに。現役時代より給与は下がるものの、65歳から年金を受け取るまでの生活費についても、ある程度の見通しは立っていました。
退職金は、日々の生活費とは分けて銀行口座に預けておくことにしました。家計の管理は結婚当初から由美子さんに任せていたため、哲也さんは預金残高を細かく確認することもありませんでした。
ところが、退職から半年ほど経ったある日、生活費の確認を兼ねて預金通帳を記帳した哲也さんは、思わず手を止めます。約2,000万円あったはずの口座残高が、約1,500万円に減っていたのです。
銀行の取引明細を確認すると、数十万円から100万円単位の振り込みが複数回記録されていました。不審に思った哲也さんが帰宅後、由美子さんに問いただすと、妻はしばらく黙ったあと、ようやく口を開きました。
「実は、投資をしていたの……」
由美子さんによると、退職金が振り込まれた後、スマートフォンで見かけた有名投資家の広告に興味を持ったことがきっかけでした。定年後は哲也さんの収入が減ることもあり、将来の生活費や医療・介護費用に不安を感じていた由美子さん。「少しでもお金を増やせれば、夫も安心するはず」と考え、広告から案内された投資グループに参加したといいます。
厚生労働省の『令和5年就労条件総合調査』によると、大学・大学院卒で勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者が受け取る平均退職給付額は1,896万円です。退職金は長年の勤続に対する対価であると同時に、年金生活を支える重要な柱でもあります。
哲也さんにとっても、手にした2,000万円は夫婦の老後を支えるかけがえのない蓄えでした。
「ふざけるな! どうして俺に相談しなかったんだ!」
明細を見た哲也さんは声を荒らげました。由美子さんはうつむいたまま、「最初は少しだけのつもりだったの。あなたの老後のために、少しでも増やしたかった」と答えるばかりでした。