個人投資家の間で人気が高まっている「日経平均高配当株50指数」。地味なバリュー株中心のこの指数が、なぜここ数年で主役に躍り出たのか? 時代を味方につけた理由と、その設計の妙について、初の著書『「なんとなくオルカン」を卒業する 新NISA時代の株価指数大全』を上梓した、個人投資家・投資系Youtuberの「株屋の立ち話」氏が解説する。
地味だった高配当株が空前のブームに
東証の株主還元要請や利上げ、新NISAの波に乗り、地味だった高配当株が空前のブームを迎えています。浮かれすぎは禁物ですが、暴落時にも配当が買い支えになって崩れにくいという強みは本物です。
日本を代表する株価指数である日経225採用銘柄の中から、さらに予想配当利回りの高さというふるいにかけて50銘柄を抽出したのが、この日経平均高配当株50指数です。
時価総額や株価の高さではなく、利回りが高い企業ほど指数内での比率が大きくなる配当利回りウエート方式を採用しているため、とにかく配当の魅力に徹底的にこだわった設計と言えるでしょう。
しかし、この指数は単純に表面上の利回りの数字だけを盲信しているわけではありません。計算の過程では、過去1年間の売買代金を基にした流動性係数を掛け合わせて比率を調整する機能が働いています。
これにより、配当利回りは高いものの普段はあまり取引されていないような、いわゆる流動性の低い銘柄の影響力が過大になるのを防いでいます。
さらに、特定の1銘柄が全体の5パーセントを超えないように上限を設けることで、一部の企業に依存しすぎるリスクを回避する堅実さも備えています。
また、銘柄の入れ替えプロセスにも長期的な視点に立った工夫が見られます。直近3期連続で最終赤字を計上したり、期末の無配を予想したりする企業は、投資対象としてふさわしくないと判断されて指数から除外されます。
一方で、すでに指数に採用されている銘柄については、多少順位が落ちても全体の中で100位以内に踏みとどまっていれば優先的に残留できるバッファールールが用意されています。厳格な基準で不適格な企業を弾き出しつつも、無駄で過剰な銘柄の入れ替えを抑えることで、指数としての継続性と安定性をしっかりと担保しているのです。