電気通信大学と高速道路総合技術研究所は、10Wを超える電力供給と火災検知信号の双方向伝送を、1本の光ファイバーで同時に実現した。高速道路設備における雷害対策などの用途に期待する。
高速道路トンネル内の火災検知器および送信器を無電化
電気通信大学と高速道路総合技術研究所は2026年11月、高速道路トンネル内に設置された火災検知器に対し、10Wを超える電力を供給しながら、火災を検知するとその信号伝送を、1本の光ファイバーで双方向かつ同時に行うことに成功したと発表した。高速道路設備における雷害対策などの用途に期待している。
高速道路に設置された電気設備は、落雷によって生じる誘導電流によって、故障する可能性がある。特に、トンネル内の火災検知器や制御局側の機器が故障すると重大な事故につながりかねない。このため雷害が多い山間部では、光ファイバーを電力線として利用するという。
1本の光ファイバーを用いて、電力供給と火災検知信号などを双方向伝送する方法としては、信号伝送用の小口径コアと大電力伝送用の大口径コアからなる2重構造のダブルクラッド光ファイバーを用いる方法がある。しかし、この方法では火災検知器を駆動できるような大きい電力は供給できなかったという。
そこで今回、純シリカ大口径コアからなるダブルクラッド光ファイバーを導入した。これにより、これまでの10倍という大きい電力を供給することが可能となった。制御局側に設置した1台の給電光源により、トンネル内の火災検知器および、検知信号を送信する送信器の無電源化が可能となる。
今回の実験では長さが300mの光ファイバーを利用した。今後は光ファイバー給電による火災検知システムの実用化に向け、さらに長距離での実証実験などを行っていく予定である。
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