
Appleの小型スマートスピーカー「HomePod mini 2」が10月30日に発売する。
「HomePod mini 2」は、コンパクトな球体デザインで人気を集めた「HomePod mini」の後継モデルだ。従来のデザインを引き継ぎながら、音楽に合わせて天面が光る新機能「Sound Glow」を搭載。Apple S10チップによる音響処理をはじめ、Siriを使った音声操作やスマートホーム機器との連携にも対応する。
発売に先立ち、事前に実機を試す機会を得た。今回は1台での使用感を中心に、デザインやSound Glowの見え方、音質、Macとの連携などを紹介したい。
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新機能「Sound Glow」で音楽を視覚的にも楽しむ

「HomePod mini 2」は、従来モデルのコンパクトな球体デザインを受け継いでいる。
本体サイズは高さ84.3mm、幅97.9mm。手のひらに乗るくらいのコンパクトなサイズ感で、デスクや本棚、キッチンカウンターなどさまざまな場所に設置しやすい。

表面はファブリック素材で覆われており、カラーバリエーションはピンク、グリーン、ブルー、ホワイト、ミッドナイトの5色。部屋の雰囲気に合わせて色を選べるため、インテリアになじませたい場合にも、デスク周りのアクセントにしたい場合にも取り入れやすい。

今回試用したのはブルーモデル。前モデルでもブルーモデルがあったが、新モデルは前よりも少し淡い色合いになった印象。そして外側は確かにブルーだが、中のメッシュをよく見るとグリーンも入っていて、この2色のグラデーションが夜(暗いとき)と昼(明るいとき)とでまた別の表情を見せている気がする。
シンプルでコンパクトなデザインは木目調の家具とも相性がよく、インテリアの雰囲気を損なわずに自然と馴染んでくれる。

新機能の「Sound Glow」は、再生中の音楽に合わせて本体天面の光が変化する機能。低音や高音、アルバムアートワークなどに連動し、光が点滅したり、明るさや色合いが変わったりする。音楽を聴くだけでなく、楽曲に合わせた光の演出も楽しめるのが特徴だ。
実際にいくつかの楽曲を再生してみると、アルバムアートワークの色味や曲調によって、光の色や動きが変化することがわかった。まだ明確な法則性まではつかめていないものの、使用されている楽器やボーカルの声質なども影響しているのかもしれない。
たとえば、Lady GagaやMaroon 5の華やかな楽曲ではピンクや黄色に光ることが多く、ColdplayやKeaneのしっとりとした楽曲では青や白が目立った。光の動きも楽曲に合わせて変化し、ドラムのハイハットが鳴ったタイミングでパッと明るくなるなど、音に反応する様子が見ていて楽しい。

じっくり音楽を楽しみたいときに使うと、いつものリスニング環境にちょっとした特別感が加わる。光の演出によって気分も盛り上がるので、音楽に浸りたいときには積極的に使いたくなる機能だった。
「Sound Glow」は音楽だけでなく、雨音などの環境音を再生したときにも動作する。「海の音を流して」とSiriに話しかけて環境音を再生すると、淡いブルーの光が周囲をふんわりと照らしてくれた。音楽を聴くときとはまた違った雰囲気があり、就寝前やリラックスタイムにもよく合いそうだ。
光の演出は「ホーム」アプリから設定でき、必要に応じてオン・オフを切り替えられる。気分を盛り上げたいときにはオンにし、落ち着いた環境で音楽を聴きたいときにはオフにするなど、シーンに応じて使い分けられるのもいい。
なお、同機能は初代「HomePod mini」や「HomePod(第2世代)」にも提供される。これらのモデルを使っているユーザーはソフトウェアアップデートを適用することで利用できるようになるはずだ。

音質については、Apple S10チップとコンピュテーショナルオーディオを活用した音響処理を採用。ソフトウェアによって音の出方を調整することで、小型のスピーカーでもバランスの取れたサウンドを目指している。360度に音が広がる設計も特徴で、スピーカーの正面に座らなくても、部屋のさまざまな位置から音楽を楽しめる。
実際に楽曲を再生し、前モデルの「HomePod mini」と聴き比べてみた。劇的な変化というほどではないものの、全体的に音の明瞭感が増えた印象を受けた。特に女性ボーカルの高音は明瞭で、声の輪郭も捉えやすくなっている。楽曲を聴いたときの印象として、前モデルよりもスッキリとした音に仕上がっていると感じた。
ただし、小型スピーカーということもあり、1台で聴く場合は低音の迫力や音の厚みがやや物足りなく感じられるかもしれない。そこで検討したいのが、2台を組み合わせてステレオペアを構成する使い方だ。左右のスピーカーからそれぞれ異なる音を再生することで、1台では得られない音の広がりや定位感が生まれ、ボーカルや楽器の位置関係も感じ取りやすくなる。音楽をより立体的に楽しみたいなら、2台での運用もオススメだ。

今回試しに2台の「HomePod mini 2」でステレオペアを構成してみたところ、1台で聴く場合と比べて音の広がりが明らかに増した。
左右のスピーカーから音がバランスよく広がり、ボーカルと楽器の位置関係も初代モデルよりも感じ取りやすくなるため、楽曲をより立体的に楽しめる。デスクやベッドサイドなど、比較的近い距離で音楽を聴く場合にも相性がよさそうだ。1台でも手軽に音楽を楽しめるが、音の広がりや臨場感を重視するなら、2台での運用もぜひ試してみてほしい。
「HomePod mini 2」はステレオペアのほか、複数の部屋で音楽を再生するマルチルームオーディオにも対応している。また、「Apple TV 4K」と組み合わせれば4台の「HomePod mini 2」を使ったサラウンド再生も可能だ。
今回は1台での音質や使い勝手を中心に紹介したが、2台でステレオペアを構成すると音の広がりや厚みがどのように変わるのか、また「Apple TV 4K」と連携させることでどのような視聴環境を構築できるのかについては別記事で詳しく検証したいところだ。
遅延の解消でMacのデフォルトスピーカーとして使いやすい

「HomePod mini 2」は、Macの外付けスピーカーとしても利用できる。「macOS 27.2」以降を搭載し、Wi-Fi 6E以降のネットワークをサポートするMacでは、デフォルトのスピーカーに設定することで、Macから出力される音声を「HomePod mini 2」で再生できる。1台での利用に加え、2台を組み合わせたステレオペアにも対応しており、音楽や動画の音声を左右に広がりのあるサウンドで楽しめる。
従来の「HomePod mini」もMacの音声を再生するスピーカーとして利用できたものの、音の遅延が気になる場面もあった。BGMを流す程度なら大きな問題にはならないが、動画を視聴したりゲームをプレイすると、映像と音声がズレてしまうからだ。

その点、「HomePod mini 2」では音声の遅延が大幅に改善されている。通知音などもほぼリアルタイムで再生されるため、従来モデルと比べてMacのデフォルトスピーカーとして使いやすくなった。
Macの近くに「HomePod mini 2」を置いておけば、音楽を流しながら作業したり、動画を視聴したりするときのスピーカーとして活用できる。コンパクトな本体はデスク上にも置きやすく、設置スペースをあまり取らないのもうれしいところ。iMacと組み合わせる場合は、本体のカラーを揃えることでデスク周りに統一感を持たせることもできる。

また、Siriによる音声操作にも対応しており、「Hey Siri」と話しかければ、音楽の再生や一時停止、タイマーの設定などを声で操作できる。対応するスマートホーム機器と連携させれば、照明などの家電も操作可能だ。
たとえば、料理中にタイマーを設定したり、手が離せないときに音楽を操作したりと、スマートフォンを取り出さずに済む場面は意外と多い。キッチンやリビングなど、日常的に過ごす場所に置いておけば、必要なときに声をかけるだけで操作できる。


また、「HomePod mini 2」はホームハブとしても機能する。対応するスマートホーム機器と組み合わせることで、外出先から自宅の照明などを操作できるほか、スマートホーム機器を連携させた環境の管理にも利用できる。音楽を楽しむスピーカーとしてだけでなく、家の中のさまざまな機器を操作するための拠点としても活用できるわけだ。
さらに、煙や一酸化炭素の警報音を検知して通知する「サウンド認識」にも対応している。あらかじめ設定しておけば、対応する警報音を検知した際に通知を受け取れるため、外出中でも自宅の異変に気づくきっかけになるはずだ。
Macの外部スピーカーとして再評価。「HomePod mini 2」は買いなのか

「HomePod mini 2」は、音質の向上に加え、新機能の「Sound Glow」やMacとの連携など、日常的に使いたくなる機能が充実したスマートスピーカーだ。
価格は24,800円(税込)。1台でも音楽や環境音を楽しめるほか、Siriによる音声操作やスマートホーム機器との連携にも対応しており、Apple製品を中心に生活環境を整えている人にとっては、使い道の多い製品に仕上がっている。
個人的に、今回のレビューで特に評価したいのが、Macの外部スピーカーとしての使い勝手だ。
正直なところ、Macに保存した音楽をAirPlayで再生したいだけなら、ほかにも便利な選択肢はある。筆者自身、以前は「HomePod(第1世代)」や「HomePod(第2世代)」をメインのスピーカーとして使っていたが、OSのアップデートを重ねるなかで動作の安定性に不満を感じることがあり、突然大きな破裂音が鳴るなど扱いに苦労した時期もあった。
その後、Apple製品と相性の良いSonosのスピーカーを少しずつ増やしていくにつれて、「HomePod」の出番は減少。いつしかサブのスピーカーとなり、さらにその役割もほかの機器に譲ることになった。最近では本格的なホームシアター環境を構築したこともあり、「HomePod」はすっかり出番を失っていた。気づけば、本体に埃が積もるほど使わなくなっていたのだ。
そんな筆者にとって、「HomePod mini 2」は久しぶりに導入する理由を感じられたHomePodだった。Macのデフォルトスピーカーとして使った際に音の遅延が少なく、通知音なども違和感なく再生できる。
2台でステレオペアを組んだ「HomePod mini 2」を14インチMacBook Proに接続して使ってみたところ、内蔵スピーカーよりもリッチな音でコンテンツを楽しめたことから、MacBook Proユーザーにもオススメの組み合わせだ。実際に使っている限り、動作も安定していたことから、まずはスタンディングデスク用のスピーカーとして導入したいと思えた。
筆者が使っているSonosのスピーカーは音楽を楽しむ環境として魅力的だが、今回のようにMacのデフォルトスピーカーとして使うことは残念ながら(ほぼ)できない。また、製品によっては3万円前後/1台の予算が必要だ。その点、24,800円の「HomePod mini 2」は、AirPlay対応スピーカーとしては魅力的な価格設定だと感じる。
音楽を楽しむためのスピーカーとしてだけでなく、Macやスマートホーム機器と連携させながら、暮らしのなかで幅広く活用したい人にオススメしたい。