Rimini Streetは、VMwareを利用する組織の269人を対象にした調査の結果を発表した。約半数の組織が、VMware Cloud Foundation(VCF)へ移行する計画はないと回答。何を検討しているのか。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
VMware製品のライセンス体系やサポート方針の変更を経て、企業の仮想化基盤の運用方針が見直されている。既存のVMware環境を使い続けるのか、それとも別の選択肢を模索するのか。コストだけでなく、セキュリティを含む運用面の課題も判断を難しくしている。
ソフトウェアのサードパーティーサポートサービス企業Rimini Streetは2026年10月6日(米国時間)、VMwareのユーザー組織を対象にした調査「2026 IT Virtualization Survey - What’s Next for VMware Users」の結果を発表した。
調査はUnisphere ResearchがRimini Streetの委託を受けて実施し、2025年12月から2026年2月にかけて、VMwareのユーザー組織の経営幹部、管理職、専門職269人から回答を得た。
「VMwareの代替を検討」が9割、その理由と見直し時の課題
調査からは、ライセンス費用の上昇を背景に、多くの企業が従来の仮想化環境を見直そうとしている実態が浮かび上がった。
一方で、代替製品への移行には課題もあり、複数の技術を組み合わせるなど、企業が検討する選択肢も多様化している。VMwareユーザーは今、どのような選択肢を検討し、何を課題と捉えているのか。
回答者の90%が、ライセンス費用の上昇を理由にVMwareの代替を検討していると答えた。54%は、永続ライセンスのサポート終了も、他の選択肢を検討する理由に挙げた。
仮想化のロードマップを決める最大の要因も引き続きコストで、回答者の73%がコスト削減を最優先事項の一つに挙げた。
一方で、見直しを進める上での課題としては、運用の複雑さ(40%)、複数ベンダーの管理(38%)、拡大する攻撃対象領域の保護(37%)、チームに求められるスキル(37%)が挙がった。Rimini Streetは、組織は変化を積極的に進めつつ、リスクを抑えて不要な混乱を避ける方法を探っているとみている。
コンテナとのハイブリッド仮想化環境も選択肢に
回答者の60%が、複数のハイパーバイザーを併用する戦略を検討している。47%は、ハイパーバイザーとコンテナを組み合わせたハイブリッドな仮想化環境を有力な選択肢と考え、両者の利点を生かしてワークロードを配置しようとしている。
回答者の48%は、現時点で自社の資産を「VMware Cloud Foundation」(VCF)に移す予定はないと答えた。Rimini Streetは、多くの企業が慎重な姿勢を取り、自社のビジネスの要件、既存の投資、運用モデルに合った戦略を優先しているとみている。
同社によると、企業の仮想化戦略は多様化しており、長期的には自社に合わせて複数のプラットフォームを組み合わせた仮想化環境へ移っていく傾向にある。ワークロードの柔軟性や運用効率、コスト管理の向上を実現するために、オンプレミスのインフラ、プライベートクラウド、パブリッククラウド、代替ハイパーバイザーを組み合わせたアプローチを採用するケースが増えているという。
6割以上がサードパーティーサポートを利用または検討
回答者の66%が、サードパーティーサポートを利用中、または検討中と答えた。主な理由は、セキュリティ(60%)、インストールと導入の支援(57%)、サービスとサポートへの懸念(54%)だった。Rimini Streetは、VMwareのユーザーが仮想化戦略を見直す中で、サービスの対象範囲を拡充し、運用の継続性を保ち、既存の投資から長期にわたって価値を得るために、サードパーティーサポートを検討しているとみている。
Rimini Streetによると、ITセキュリティの責任者は、次々に見つかる脆弱(ぜいじゃく)性への対応に追われている。仮想化環境では、1台の仮想マシンが侵害されると数百台のゲストマシンが危険にさらされ、サービスの停止やデータ侵害のリスクが高まる。そのため、ハイパーバイザーはランサムウェア(身代金要求型マルウェア)やAPT(持続的標的型攻撃)にとって価値の高い標的になるという。
仮想化環境のセキュリティ責任者の77%は、VMwareを傘下に持つBroadcomのパッチ(修正プログラム)提供だけに頼るのではなく、脅威をリアルタイムに可視化し、脆弱性から事前に保護するセキュリティ対策に価値があると答えた。
調査を担当したUnisphere Researchのジョー・マッケンドリック氏(リードアナリスト)は、「VMwareの現ユーザーに起きている変化は、単にあるベンダーを別のベンダーに置き換えることではない。単一の提供元への依存を減らし、ミッションクリティカルなシステムの継続性を保ち、自社のビジネスの要件に合ったペースでモダナイズしようとする、企業のより広範な取り組みを反映している」と述べている。
関連記事
ニトリが“オンプレ仮想環境”をやめて「6時間の処理→1時間半」 基幹システムをどう移行?
家具・インテリア用品のニトリが、店舗販売や配送業務を支える基幹システムを刷新。6時間弱かかっていた需要予測の計算処理が1時間半に短縮したという。どのような構成に変更したのか。
脱VMwareで顕在化した「ITインフラを任せられる人」不足――“AI頼み”で本当に解決できるのか
ITインフラ人材の不足は、単に人数を増やせば解消できるものではありません。対策としてAIに期待する向きもありますが、AIを使うこと自体にも実は難しさがあります。では、どうすればよいのでしょうか。
「どこまで高くなるのか分からない」からVMwareをやめたSMBC日興証券 ITインフラコスト2割減をどう実現?
VMware製品群のライセンス体系変更で、コスト増に直面したSMBC日興証券。サーバ仮想化製品の移行で、ITインフラコストを5年で20%削減できる見込みだという。その移行方法とは。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
アイティメディアからのお知らせ
RSSについて
アイティメディアIDについて
メールマガジン登録
@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。




