株式会社トーヤーマンの勢いが止まらない。2026年2月にオープンしたワイン酒場『HiBi』の大ヒットに続き、6月29日にオープンしたばかりの焼き鳥居酒屋『調和』も、16坪27席の店が連日1.5回転する繁盛ぶりを見せている。
「北千住にない店をつくる」という発想のもと、このエリアに大繁盛店5店を集中出店している同社。「客単価5,000円超えの焼き鳥店」を出発点に業態をどう組み立てていったのか。代表取締役の當山鯉一氏とメニュー開発を担った2人のキーパーソンにその業態設計の舞台裏をうかがった。
Googleマップにも載っていない路地裏で客席が連日1.5回転
Googleマップにさえ表示されない幅1.5mほどの細い路地。北千住駅から徒歩3分とアクセスは悪くないものの、地元住民さえ通り抜けることがほとんどない。この路地沿いにあった古民家をフルリノベーションし、2026年6月29日にオープンしたのが『調和』だ。
店舗規模は16坪27席。1階には活気あふれるオープンキッチンを囲んだ13席のL字型カウンターを設け、テーブル6席、カウンター8席を配置した2階は古民家の風情を生かした落ち着いた空間に仕立てられている。
迷わずに店にたどり着くのが難しい立地だけに「テナント募集を始めてから半年以上、借り手がついていなかった」と説明する當山氏。そうした悪条件にもかかわらず、『調和』はオープン直後から抜群の集客パワーを発揮している。客席は1日1.5回転し、客単価は税抜5,800円(税込6,380円)。オープンからわずか2か月で月商は税抜700万円(税込770万円)に到達した。
客単価5,000円超の焼き鳥店。北千住の空白市場を狙い撃ち
既報のワイン酒場『HiBi』に続き、悪立地で立て続けに大ヒットを飛ばすトーヤーマン。同社の業態開発のアプローチに共通するのが「北千住にない店」をつくるということだ。『調和』では「北千住エリアに客単価5,000~6,000円の焼き鳥店がない」(當山氏)ことに着目。ただし、その業態構想自体は以前から温めていたものだった。
『調和』のフードメニューは大枠を當山氏が考え、店長の石川彩紀氏が細部を詰めた。石川氏は2024年7月にオープンした御徒町の居酒屋『三角』の立ち上げ店長だったが、『三角』のオープン前に『調和』のメニューの原型はできあがっていました」と振り返る。
當山氏が指摘するように北千住エリアには客単価5,000円超の焼き鳥店がほとんどない。ただし、客単価5,000円以下の焼き鳥マーケットがレッドオーシャンとなっているだけに、いかに客単価5,000円超に見合う付加価値を生み出すかが業態開発時の最重要課題だった。




