2025年8月に神楽坂にオープンした『LAURA(ラウラ)』は、ナチュラルワインや焼酎と共に、店主・山添恭可氏の地元・大分県の郷土料理をベースにしたおばんざいが楽しめる酒と小料理のバー。近年、飲食業界ではモーニングやアペロなど早い時間帯へのシフトが加速する中、山添氏があえて深夜帯に振り切った背景には、飲食そして神楽坂をこよなく愛する彼女の、熱く冷静な戦略があった。飲食店に対して厳しくも愛のある食通たちが集まる街・神楽坂だからこそ『LAURA』が支持を得る理由と、令和の深夜帯ニーズのリアルを聞いた。
オープンから1年で常連客が8割。瞬く間に神楽坂人の心をつかんだ『LAURA』
まるでカフェやサロンのような淡い色使いと、かつての修業先であるイタリアで出会った友人の名から取ったという、軽やかな音の響き。大分県出身の山添恭可氏が一人で切り盛りする、酒と小料理のバー『LAURA』(神楽坂)には、連日、目と舌の肥えた神楽坂の食通たちが夜な夜な集まってくる。
「イメージしたのは『家』のような場所です。肩の力を抜いてくつろげる空間をつくりたくて。形式上はワインバーを名乗っていますが、ワインが飲めない方にも気兼ねなく過ごしていただけるように、焼酎やジンも種類豊富に、それからウイスキーを少し。日本酒以外は一通りそろえています」
そう話す山添氏が立つのは、彼女の意思をそのまま表したようなやわらかな曲線美を描いたパステルカラーのJ字カウンター。上を見上げれば、まん丸の大きな提灯越しに吹き抜けから空が顔をのぞかせ、開放感を演出する。設計・内装を手掛けたのは、建築家のクマタイチ氏だ。山添氏が以前身を置いていた、食通や著名人たちも足繁く通う名イタリアン『Don Bravo』(国領)や姉妹店の『CRAZY BRAVO』(神楽坂)からの縁で、実現したものだという。
早いうちにソムリエ資格も取り、当初はイタリア料理人を目指していた山添氏だが、彼女は今ここで、ふるさとの味をベースにしたおばんざいを提供している。営業時間も19時〜25時と、深夜帯需要も視野に入れた設定。大分のソウルフードである特大サイズの唐揚げをはじめ、きんぴらやポテトサラダなど、誰しもが親しみある料理ラインアップと、選りすぐりの酒がウリだ。オープンから一年、すでにお客の約8割が3日に1度は来る常連客だといい、連日多くのお客が思い思いに店を訪れる。


