2026年5月、恵比寿にオープンした『CARAVAN 来民(キャラバンライミン)』。運営するのは、名古屋で『西山TAXI』や『炭火焼き鳥ブラザー』など多様な業態を展開する株式会社十七商店だ。東京での出店は、2025年に虎ノ門ヒルズに出店した『CARAVAN TORANOMON』に続く2店舗目となる。
開業間もないながら月商1,800万円を売り上げる同店。好調の理由を「人間力」と語るマネージャーの南祐希氏に、業態づくりの背景と、支持される店をつくるためのヒントを聞いた。
内装に1億3,000万円。東京で埋もれないための空間づくり
恵比寿駅から徒歩5分ほど。ビルの4階に構える店舗は、扉を開けると天井高3メートルの開放感のある空間が広がる。元バックパッカーの社長が、ヨーロッパを中心にめぐった12都市から着想を得てつくり上げたという。
「『ザ・中華』という固定観念に縛られず、自分たちが今『かっこいい』と思うものを追求しています。デザインは、ヨーロッパ風でありながら窓の格子に東洋風の要素を取り入れるなど、和・洋・中が曖昧にミックスされた独特の雰囲気をもたせています」
時間帯によっても店の表情は変わる。開店から間もない17時頃は明るく、カフェのような雰囲気だが、23時頃になると照明を落とし、バーやホテルのラウンジのような空間へと変化する。
内装に投じた費用は1億3,000万円。一般的な飲食店としては大きな投資だが、東京という飲食店がひしめく街で埋もれないための戦略でもある。東京でのフラッグシップとして、今後のブランド展開を見据え、空間づくりに大きく投資した。
現在、運営に携わるスタッフ9名は、すべて愛知県から移住。9名全員が東京に拠点を移して店づくりに携わる体制は、同社が東京進出にかける本気度の表れでもある。
出店場所を検討するなかで中目黒や渋谷なども候補に挙がった。最終的に恵比寿を選んだのは、物件の条件に加え、ターゲットとする客層との相性があったからだという。
「当社では、マーケットインより、プロダクトアウトの考え方が強く、自分たちが何をつくりたいのか、何をしたいのかを起点に店づくりを行っています。私たちが実際に恵比寿のいろいろな店を飲み歩き、自分たちがファンにしたいお客さまの層ともマッチするのではないかと感じました」
店舗はビルの4階に位置するため、認知されるまでには時間がかかると想定していた。それでも、内装のクオリティと「人」には自信があり、一度来店してもらえればリピーターにできると確信があったという。
実際、現在の月商は平均で約1,500万円、最高月商は1,800万円。客層は30~40代を中心に、おひとりさまからカップル、グループまで幅広い。現在は日曜を定休日としているが、スタッフの体制を整えて定休日をなくし、平均月商1,800〜2,000万円を目指す考えだ。
