2025年9月、人形町の路地裏に開業したホテル「SOIL Nihonbashi Hotel(ソイル ニホンバシ ホテル)」1階に構える『Pizza Tane(ピッツァ タネ)』。都内でも数少ないサワードウ生地を使ったピッツァが評判を呼び、ランチ、ディナーともに2~3回転する日も少なくない。「この街の歴史や文化に根ざした店づくりを目指している」と語る料理長の濱野亮太氏に、老舗が軒を連ねるこの街で店を構える理由や、ブランドづくりへの思いを聞いた。
宿泊客以外も利用可能。ホテル内のピッツェリア
東京・日本橋エリアで、ベーカリーカフェ『Parklet(パークレット)』やワインショップ『timsum(ティムサム)』をはじめ、多様な業態を手がける株式会社Staple(ステイプル)。人形町駅から徒歩2分の立地に2025年9月にオープンした「SOIL Nihonbashi Hotel」は、全14室のスモールホテルだ。
赤土色の建物には植物が配され、下町の風情が残る街並みに自然と溶け込んでいる。サービスコンセプトに掲げるのは、「Come in as a guest, leave as neighbor(ゲストとして迎え、“ご近所さん”のように送り出す)」。宿泊施設にとどまらず、人と街をつなぐ拠点を目指している。
ホテル1階にある『Pizza Tane』はレンガ調の素材や植物が取り入れられ、温もりのある空間。ハイチェアのカウンター席、2名掛けのテーブル席、テラス席を備える。
「人形町には『路地裏園芸』という、江戸時代から続く文化があります。玄関先に植物を置いたり、近所の方同士で種を分け合ったり、株分けをしたり。植物を通じた交流が、昔から根付いているんですね。その“分け合う文化”に着目し、『Parklet』の酵母を新業態でも活用できないかと考え、誕生したのが『Pizza Tane』です」
ホテルの1階に入る飲食店といえば、ダイニングやカフェが一般的だが、ピッツァ店を選んだ理由について、濱野氏は「この場所を街に開かれた玄関口にしたいと考えました」と話す。
宿泊客以外も気軽に立ち寄れる場所を目指し、ホテルの飲食店にありがちな敷居の高さを感じさせない、カジュアルな店づくりを行っている。




